断熱材 ~発泡ウレタンについて~|吹き付けやFP板

断熱材の発泡ウレタンについて

今回は数ある断熱材の中から発泡ウレタンについてご紹介したいと思います。

発泡ウレタンって言葉だけを聞くと、「何となくどこかで一度は耳にしたことがあるような…」程度で、知識がある方は専門職の方以外は少ないんじゃないかと思います。

断熱材_吹き付け

【今回の記事のポイント】
✓発泡ウレタンの特徴やメリット・デメリットがわかる。

更新日:2023/5/24
初稿:2020/11/13

《目次》
発泡ウレタンのメリット・デメリット
断熱材FP板はどこで活躍する?
発泡ウレタンの特徴とは
その他の特徴について
発泡ウレタン(FP板)について最後に

発泡ウレタン
発泡ウレタンとは、フロンガス(現在は脱フロン化が進んでいます)などの発泡剤を混ぜてつくった建築用の断熱材になります。吹き付けやボードなどの種類があります。吹き付け(充填式)は現場発泡ウレタンという種類になります。

ボードの発泡ウレタンは俗にFP板 (フォームポリスチレンの略)=ポリウレタンフォームが正式名称になります。
発泡ウレタン

イメージでいうと発泡スチロールを想像していただくとわかりやすいんですが、見た目でいうと吹き付けに関しては綿あめのような発泡スチロールといった感じでしょうか。しかし、弊社で取り扱っているパイナルフォームのような素材とはまた違い、特徴も異なります。

断熱材のことで違いや特徴を知りたい方や、気になる方は是非、お気軽にお問合せください。それでは早速、発泡ウレタンについて解説していきたいと思います。

発泡ウレタンのメリット・デメリット

現場発泡(充填式)の発泡ウレタンには一種類の液タイプと二種類の液タイプがあります。両方とも発泡剤が混ざっているので、それによって発泡しその後固まり発泡スチロールのような断熱材になります。

その液を霧状にして鉄筋コンクリートや鉄骨に吹き付けることで熱伝導率が高い鉄筋に断熱性を加えることが可能になります。

断熱材_発泡ウレタン

霧状に吹き付け、そこから発泡し膨らみ、固まることで建材の間に隙間なく断熱材を施工できるので気密性が上がりますが、以下のデメリットもございます。

断熱性能の長期安定性(断熱性能が長期的に続く)・・・紫外線で劣化・変形する。
工期・・・施工には専用器具を使用する必要があり、技術にムラがあると、比較的時間がかかる。

以上のことから、長期的な断熱性能を求めるのであれば発泡ウレタンはおすすめしません。長期安定型で断熱性能が数十年と変わらず、劣化も少ない断熱材をお求めの方は優良断熱材のパイナルフォームがおすすめです。

液性の発泡ウレタン

液性の発泡ウレタンの場合、異なった薬剤を混ぜ合わせて発泡させるので、施工の際には専門的な教育が必要になります。ここで使う機材も大掛かりになるものもあるので誰にでも簡単に出来る作業ではないです。
コンテナやトラック、ドラム缶などに材料を積み、現場に着いてから液を混ぜ合わせるので、手間もかかりますし、専門的な職種になる分、工賃も高くつくことがあります。
発泡ウレタン_吹き付け

薬剤の性質や、吹き付け作業を行うことで接着力にもたけていて、どんな資材にもくっついてくれます。吹き付けをした後は一時間もしないうちに固まります。
固まる前に触ったり、いじったりしてしまうと効果が薄れてしまうので注意も必要です。

このことからもわかるように、専門の方でも扱いは難しく苦労されるようです。熟練した技術が身に付くまでにも時間を要しますし、きちんと均等に断熱性能が保てるよう施工するのも中々難しい作業になります。

また、現場発泡(充填式)の吹き付け工事を行う際にはいくつかの注意点があります。

断熱材_発泡ウレタン_吹き付け

一つ目は、断熱を行う箇所に汚れなどがあってはいけません。水分や油分、汚れなどがないか確認し、きれいな状態で始めなければ先ほど同様、断熱材の効果が薄れてしまいます。

二つ目に、施工の際の温度や湿度も管理しなければなりません。と言うのも、反応した発泡ウレタンが固まるのには湿度が40%以上で、温度も20℃程度が望ましいからです。(施工のムラにつながる)

そうなってくると天候に左右されやすく、季節も選んでしまうところがあるかもしれませんね。条件が悪い状態で行ってしまうと、うまく接着がいかなかったり、上手に反応(発泡)できなかったりしてしまいます。

その点、パイナルフォームであれば施工も簡単に行えますし、ムラなどもなく均等に施工することが可能です。また、天候に左右されることもなく長期的に安定した断熱性能を保つことができます。

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断熱材FP板はどこで活躍する?

続いてボードのFP板(発泡ウレタン)についてです。

先ほどもお伝えしましたが、正式名称はポリウレタンフォームと言います。様々なメーカーもあり、商品名で呼ばれることもあります。例えば、キューワンボードやFP板などなど。スタイロフォームやスタイロエースなどと混同されやすいのですが、それらとは違う種類の断熱材です。

ボードになっているので基礎部分や床、屋根などに使用されることが多いです。ですので、外断熱という工法によって採用率が高くなります。ボードの厚みもいくつか種類がありますから、施工現場によって選んで使用します。

発泡ウレタンのデメリット

発泡ウレタンは変化に対応出来ないのもデメリットとして挙げられます。住宅は雨風・紫外線などで年数が経つにつれ、歪みなどの変化が起きます。
せっかく発泡ウレタンで隙間を塞いで断熱していたのに、長年の紫外線などにより断熱材が変形し、隙間が出来てしまったりします。その都度直すことは難しいので、これだけはデメリットですね。(長期安定性がEPS断熱材パイナルフォームよりも低い)
ただし、ボード状のFP板であれば軽減されることもあります
発泡ウレタン_デメリット

発泡ウレタンよりも優れているEPS断熱材パイナルフォームのメリット

長期安定性の高さ!紫外線、カビや腐食にも強い発泡スチロール。
 発泡スチロール断熱材は南極で40年間にわたって使用され、ほとんど劣化しないことが証明されている長期安定の断熱性
施工に合わせてフルプレカットが可能!
従来工期の6倍短縮(最短2カ月で住宅が建てれる) 
施工品質が安定する ※施工・産廃費用の削減

発泡ウレタンの特徴とは

グラスウールと比較してみた
 

​​​​​​1.熱伝導率が低く厚みが薄くても効果あり
発泡ウレタンは他の繊維系断熱材(グラスウールなど)に比べると熱伝導率が低いです。熱伝導率が低いと熱を通しにくくしてくれるので、断熱材効果として省エネ対策にも万全です。
また、素材自体が熱伝導率が低いため、厚みもグラスウールより薄くても同等の効果を発揮します。

2.形が崩れない
発泡ウレタンは吹き付けであれば、密着して固まりますので隙間が空くことも崩れることもありません。FP板であっても、ボードなのでたるむなんてことはありませんし、サイズを合わせて施工するので隙間もない状態で長い期間保てます。

発泡ウレタン_吹き付け

3.耐水性がある
グラスウールは繊維系なのでどうしても水に弱いところがあります。水分を含んでしまうともちろん、断熱効果は薄れてしまいますし、腐食の原因になりかねません。また、乾いたからと言っても断熱効果が戻ることもなく、水分を含んでしまうと効果は下降し続けてしまいます。
しかし、発泡ウレタンは耐水性があるので水分があっても吸水しにくく変わらず断熱効果をもたらします。

昔の住宅はグラスウールの使用が多く、築年数が増すと同時に断熱機能も比例して下がっていきます。なので昔の家は寒いイメージがついてしまうんだと思います。

4.どんな場所でも施工できる
何よりも発泡ウレタンのいいところは、隙間なく、どんなところでも施工が可能なことです!少しの隙間も空けることなく施工できるので、これによって気密性も高くなります。1㎝以下の場所にでさえ施工が出来るのは発泡ウレタンの特性だと言えるでしょう。

その為、複雑な造りや形状にも何の躊躇もせず吹き付けることが出来るので断熱材としての役割を十分に果たすことが可能です。

発泡ウレタン_吹き付け

以上のことから、グラスウールと比べると断熱性能や、耐水性があること、そして隙間なく断熱材を施工することができます。グラスウールについてはこちらから⇒【グラスウール断熱材について】
しかし、先ほども述べたようにパイナルフォームなどのEPS材と比べるともう少し改善の余地はあるように感じます。

優良断熱材のパイナルフォームは様々な分野でも使用されるほど臨機応変に、そして万能に使用することができます。様々な用途を知りたい方はこちらから⇒【断熱材以外のEPS材の様々な用途】
一度、無料サンプルや資料などでパイナルフォームの特徴を知ってみませんか?業者向け特別価格もご用意しております。

その他の特徴について

吹き付け(現場発泡/充填式)の場合、噴射する為に使用するガスが悪影響だと考えられ懸念する方も多くいました。確かに昔の発泡ウレタンはフロンガスの影響も問題がありましたが、現在の発泡ウレタンにはその心配がありません。使用するガスもノンフロンに代わり、環境への配慮がなされています。

このように、他にも特性があります。

エコな発泡断熱材

これは今、お伝えしたように悪影響のフロンガスからノンフロンに代わったことでエコにもなりました。環境にも施工業者にも嬉しいことですよね!

シックハウス症候群の心配がない

発泡ウレタンはノンホルムアルデビトなので有害な化学物質が含まれておりません。

また、F☆☆☆☆の認証を受けた材質なので、シックハウス症候群などの心配はないと認証済みです。

燃えにくい材質

新しい材質として、研究開発から販売に至るまでには色々な検査を合格しなければなりません。

そのうちの一つでもある耐熱性の部分において、高い効果を発揮し燃えにくい材料として実証済みなんです。

発泡ウレタン_吹き付け

発泡ウレタン(FP板)について最後に

発泡ウレタン(FP板)は上記のような特徴を持ち、断熱材として活躍していますが、断熱材を選ぶ基準は断熱性能だけではいけません

もちろん、断熱が一番の目的なので重要視するのは間違いないと思いますが、素材の性質や特徴も踏まえて検証することが大切になってきます。いくら断熱性が良くても耐水性があまりなく、湿気の多い地域や環境には不向きだったり、耐久性があまりなく、長い期間使用することで効果が薄れていっては長く住む家では意味がありません。
数年後にリフォームや補修工事を行うというのであればいいですが、そうなってくるとその分のコストもかかってきますよね?

そういったことも含めて、断熱材を選ぶ際には【長期安定性】【耐水性】【施工性】【工期】【納期】【コスト】をきちんと見極めていきましょう!
最近では、インターネットが普及して色んな事が検索出来るようになりましたから自身で調べてみたり、各メーカーで出しているホームページや広告宣伝なんかも多く出回っているので見比べてみるのもおすすめです。

発泡ウレタン_吹き付け施工

なかなか専門的になるのでわかりにくい所も多々あると思います。しかし、これから新築や中古リフォームやリノベーションをお考えの方には断熱材の重要性を理解することで後悔のない家造りにつながります。

断熱材_施工_大工

後は、大工さんなど家づくりに特化した方々に聞くのもオススメです!一番多く取り扱っているでしょうし、家の基礎から見てきているので何が最適かを教えてくれるかもしれません。

私たちだけではわからないことは何よりも専門家に聞くのが手っ取り早いです!もし、近くにそういった知り合いがいる場合は一度相談してみるのもいいですよね。

私たちも断熱材の専門家の会社として、お役に立てることもあるかもしれませんのでお気軽にお問い合わせください。
皆さんが数十年後も、快適で住みやすい家で暮らすことが何よりも大切ですから、細かいかもしれませんが大金を出して買う住宅です。細部までこだわって後悔のない買い物にしてくださいね!

【最後に】今回紹介した液性の発泡ウレタンやFP板よりも【長期安定性】や【耐熱性】、【施工性】が高いのがEPS断熱材パイナルフォームになります。比較ページもぜひご覧ください。

断熱材.jp監修者コメント

コメント

堀 清憲(気密測定技能者)
Hori  Kiyonori

しっかり断熱をすることで、省エネ効果の高い住宅になることは容易に想像できますが、もう1つ大きなメリットがあります。断熱性能の低い家に住んでいる場合と高断熱住宅に住んでいる場合とでは、健康に対する弊害が生じる可能性も異なります。断熱は家の基本性能。皆さんが快適に暮らせるよう断熱材を通してお手伝いしていきたいと思います。

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最終更新日: