パイナルフォームの長寿命
弊社で取り扱っている優良断熱材の【パイナルフォーム】の長寿命について今回はお話していこうと思います。
住宅の断熱をする上で、断熱材の寿命はとても大切なものです。長く住むご自宅ですから、断熱効果も長く効果が続くことで夏も冬も、快適な暮らしが続けられます。寿命が短いと途中でリフォーム・リノベーションをしなければならなかったり、効果が薄れるだけでなく、断熱材の劣化から隙間ができ、その隙間から外気が入り結露を起こしてしまい腐食の要因にも繋がります。
【今回の記事のポイント】
✔️パイナルフォームの長寿命についての知識や理解が深まる
更新日:2024/1/17
初稿:2021/2/16
《目次》
・パイナルフォームの長期安定性
・極寒の南極で40年間使用されたEPS材
・金属製屋根瓦の下でも30年使用
・パイナルフォームの長寿命についてまとめ
パイナルフォームの長期安定性
発泡プラスチック系断熱材の中には、気泡内の発泡ガスによって熱伝導率を維持しているものもあります。しかし、そのような断熱材では経時的に発泡ガスが減少し、熱伝導率が変化することがあります。
その上で、パイナルフォームは発泡したビーズの気泡に空気を閉じ込めることで断熱性能を発揮、維持しているので経時的に断熱効果が薄れることは少ないと言えるでしょう。これが長期に渡って効果がみられる最大の要因と言えます。
試験結果※1からも100年以上安定した熱伝導率を維持できるということが証明されています。
パイナルフォーム以外の発泡プラスチック系で、フェノールフォームや押出発泡ポリスチレンフォームなどは比較的に効果が薄れにくい方ではありますが、パイナルフォームほど長期的な効果を維持することは難しく、硬質ウレタンフォームにおいてはある一定の時期を過ぎてしまうと急激に効果が減少していきます。※2
※1 発泡プラスチック系断熱材の熱抵抗の長期変化促進試験方法において
※2 発泡スチロール協会によって作成された「断熱材の長期断熱性能評価に関する標準化調査」より
極寒の南極で40年間使用されたEPS材
極寒地の南極で40年も使用されたと聞いただけで、既に効果が絶大な気になります。
しかし、なぜ南極において、このEPS材(ビーズ法ポリスチレンフォーム)が使用されたのか?という経緯についてですが、1957年に日本建築学会の南極建築委員会が設計し、株式会社竹中工務店が実施設計、制作した第一次南極観測隊用の建物がありました。
その建物の中には、日本初とも言われる木製パネル構造のプレハブ建築が含まれていました。この建物が南極大陸の昭和基地から帰ってきたのが1997年になります。約40年ぶりの帰還ということで、日本でも大変な賑わいがありました。
このプレハブ中空部にはEPS材を挟んだ軽量かつ、高断熱パネルが使用されていました。帰還と共に、この建物は構成材料から、部材の性能まで細部に渡って竹中技術研究所と日大理工学部の手によって調査されました。その研究調査により、EPSの熱伝導率の変化も調べられました。熱伝導率測定は【JIS A 1412(保温材の熱伝導率測定法)】に準じて行われ、その結果が下記のグラフになります。
このグラフを見てもわかる通り、建設当時から約25年ほどは熱伝導率は変わらず、25年以降になって少し上がっていったという状態です。最後の40年後に至っては0.035W/(m/K)という数字で、当時から0.002W/(m/K)しか上がっていないのは衝撃的な結果であることが分かります。
これほどまでに熱伝導率の変化が見られないことで、断熱性能も40年間、あまり変わらずにいることが証明されます。極寒地という悪条件にも関わらずここまで耐えられるEPS材は非常に優れた断熱材だと言えるでしょう。
金属製屋根瓦の下でも30年使用
EPS材が長期安定性に優れていることを教えてくれたのは南極だけではありません。金属製瓦の屋根下でも30年間使用されてきた実績があります。茨城県つくば市の独立行政法人・建築研究所にて30年前に設置された屋根暴露試験設備の解体を行った際に、金属製屋根の下地断熱材にEPS材が見つかりました。
採取してサンプルを測定した結果、製造当時の規格値と比較してもほとんど劣化していないことがわかりました。30年間という月日もそうですが、金属製の屋根の下でというところも驚きです。金属製の場合、屋外になると雨風にさらされることでサビなどの発生が起きます。そのサビが水によて浸透し、断熱材によては被害が及ぶこともあります。しかし、EPS材は被害どころか劣化もしないというのはすごいことですよね!
また暴露試験を行う場所は、化学薬品なども取り扱い試験を行うので、普通の住宅ともまた違う悪条件の環境にあります。そこでも30年間、断熱性能が衰えることなく使用されているのは優良断熱材である証拠でしょう。これにより、長期安定性だけでなく、耐久性にも優れていることが伝わります。
EPS材のパイナルフォームは成形が自由自在です。ですから、屋根の瓦に合わせて成形することで隙間なく断熱を施すことが出来ます。また、瓦と違い、パイナルフォームは軽量なため、作業も簡単に行えます。
現在では瓦屋根の住宅も少なくなってきましたが、それでも沿岸地域や田舎の方にはまだ多く残っています。築年数が古い住宅であっても、構造が古いお家であってもパイナルフォームであれば簡単にリフォーム・リノベーションが行えます。
リフォームにおすすめのパイナルフォーム
パイナルフォームの長寿命についてまとめ
パイナルフォームが長寿命で長期安定性に優れていることがご理解いただけたでしょうか?悪条件が揃う環境下においても長期間劣化することなく、熱伝導率の変化が見られない断熱材は他にあるでしょうか?
それだけでなく、悪条件の中でも耐久性にも優れ、耐水性にも保証があります。耐水性があることは結露などの心配も少なく、カビなどの発生もしにくいので住宅にとっても大変嬉しい素材になります。
軽量であるために、施工性においても優れていることで職人さんたちからも重宝される素材です!また、現代のように環境問題などが問題視される中でも環境配慮を行って製造販売しているのでご安心いただけます。
断熱材の性能としては、他の断熱材に比べてもかなり優秀な素材だと言えます。長く住む住宅にとってはもちろんですが、RC・S構造のマンションなどの大型建築においても柔軟に対応でき、幅広く利用することが可能です。
弊社では、このEPS材のパイナルフォームを専門として製造、販売しておりますので、個人のお客様だけでなく、法人様や業者様へも対応しております。お客様のご相談に応じて形成することも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
コラム監修者からのメッセージ
断熱材は建物の性能の「柱」となる重要なポジションを担っています。私たちは一貫して「より良い住宅のお手伝い」をモットーに断熱はもちろん、気密や工法に関わる商品の提案・サポートを行っています。多くの方に『松原産業のパイナルフォーム』をご採用頂けるように精進していきますので是非よろしくお願い致します。