EPS断熱材の環境対応 ~エコロジーな断熱建材~

EPS断熱材の環境配慮

今まで、何度もEPS材の断熱材についてお話をしてきましたが、今回はこのEPS断熱材の環境に対する配慮をご紹介していこうと思います。一昔前のアスベストなどが問題となり、建材の環境配慮が見直されてきました。また、住宅にも、住む人たちにも健康被害がないよう色んな側面から見直されてきたのです。

現在もそうですが、地球規模での環境問題が悪化し、環境に対する考え方や、思考が本格的になってきたことで、材料や企業だけではなく、個人としてもそういった考え方を持つ方が増えたように感じます。添加物を控え、オーガニックにこだわったり、スーパーの袋なんかも有料になりエコバック、マイバックの持参が当たり前になりつつあります。

このように各方面において、この環境に対する姿勢は変化し、これからはそれが当たり前になっていく時代になるかと思います。今後の未来のためにも出来ることからコツコツと。小さなことでも続ける人が増えるだけで大きく変わります。私たちも断熱材を扱う業者として一緒に、環境問題に対して真摯に向き合っていこうと思います。

環境問題_配慮

【今回の記事のポイント】
✔️EPS材の環境配慮について理解できる

更新日:2024/1/17
初稿:2021/1/16

《目次》
断熱建材のEPS材の環境対応
まとめ~EPS断熱材の環境対応~

断熱建材のEPS材の環境対応

【 ノンアスベスト 】 

EPS断熱材は、原料にアスベストを全く含んでおりません。また、原料製造時や成型時においてもアスベストの使用をしておりません。そのため、安全に使用することが出来ます。

EPS材は過去、これまでも製造過程でアスベストを使用したことがありませんので、建築された建物を解体した場合でもアスベストが発生する恐れはありません。特別な処置なども必要なく、廃プラスチックとして廃棄することができます。処理も簡単に行えることは嬉しいことですよね。

【 ノンフロン 】

EPS断熱材に使用している原料ビーズには約50倍に膨らませるための発泡剤が含まれています。その発泡剤は炭化水素製品でオゾン層などに影響を与える特定フロンは使用していません。これもアスベスト同様、過去を振り返ってみても使用がありません。

オゾン層は地球が生存する上ではなくてはならない存在です。オゾン層が薄くなってくると同時に、地球温暖化の進行は速まり、全ての国や生物に影響を及ぼしていくことになります。そうならない為にも、オゾン層を守る運動はかなり重要になってきます。

ノンアスベスト_ノンフロン

【 ノンHBCD 】

こちらは聞きなれない単語になりますが、【HBCD】とは難燃剤ヘキサブロモシクロドデカンの略になります。これは自己消化性を付与するための材料ですが、今まではこのHBCDを使用していました。しかし、最近の研究においてHBCDが自然環境に排出された際に成分の分解が遅く、生物の体内に蓄積しやすいという報告結果がありました。中には、長期毒性を持つことが懸念され、平成25年以降にストックホルム条約において廃絶することに正式決定しました。

これに伴い、日本国内でも化学物質などの審査における法令などが政令されるなどして使用が出来なくなり、海外からの輸入品においてもこのHBCDが使用されている断熱材の場合は輸入が出来ません。このような動きからメーカー各社はノンHBCD原料への切り替えを行い、平成25年以降はHBCDを完全に使用しない原料へと切り替わりました。

最近の研究開発はすごいですよね。技術の進歩もさることながら、AIの発達によっても様々なことが解明できているように思います。技術が進歩することで、より環境に良く、安全性があり、効果が期待できるものが続々と登場してくることでしょう。

【 ノンホルムアルデヒド 】

ノンホルムアルデヒドについては以前から、何度かお話しているかと思います。EPS断熱材は原料ビーズ製造と発泡体形成時に、このホルムアルデヒド・クロルビリホスは使用していません。シックハウス対策の規制対象にもなりませんから安心していただけます。

このホルムアルデヒドは接着剤に使用されることが多く、現在では別の接着剤を使用することで回避しています。

EPS材_ノンHBCD_ノンホルムアルデヒド

【 リサイクル 】

EPS断熱材は単一素材になりますから、分別が簡単で熱や溶剤・圧縮により体積を減らすことの出来る「減容」が可能になります。これによってリサイクル性に優れた素材となり、現在ではマテリアル、ケミカル、サーマルの3種類の方法でリサイクルされています。

ちなみにマテリアルとは原料を意味する言葉なので、文字通り廃棄物を原材料として再利用することを指す。使用後の製品をリサイクルし同じ製品や材料として再利用します。

ケミカルとは、廃棄物に化学的な処理を施し、原料へ戻してからリサイクルするこを指します。畜産物の汚物によるバイオガス化などはそのうちの例です。

そしてサーマルとは廃棄物を焼却処分するだけでなく、焼却した際に発生するエネルギーを回収し利用するのがサーマルリサイクルです。焼却時に排出された熱エネルギーを発電や温浴施設、暖房設備に熱源として使用します。

EPS材_リサイクル

【 エコマーク認定基準 】

環境に優しい断熱材としてEPS断熱材の認定基準が策定されたことで、以下の基準を満たしてなければエコマークが付きません。

(1)環境に関する基準

  • 発泡プラスチック保温材は熱伝導率に関する基準を満たしていることが原則である。
  • 有害物質の溶出について、土壌汚染で上げられる特定有害物質の基準に適合しなければならない。
  • 発泡樹脂は特定フロンや代替えのフロンなど、一切のフロンを使用しないこと。
  • 使用後に更にリサイクルが可能であること。
  • 製造にあたって大気汚染、騒音、振動、悪臭、有害物質の排出などについて関連する環境法規、および公害防止協定などを遵守すること。

(2)品質に関する基準

該当するJIS規格に適合していることが必須。また、自社規格であるJIS A 9511に適合している必要もある。無機・有機混合系の断熱材、または無機系断熱材は、類似するJIS規格などに準じている自社規格に適合することに代えることが出来る。

(3)商品区分、表示

商品は原則として「抗菌剤」の使用のないこと。また「生分解性プラスチック」の表示がないこと。しかし、特別な理由によって使用、または表示する場合には、「エコマーク事業実施要項」に基づく「抗菌剤」、「生分解性プラスチックの表示」に関する規定を満たすこと。

具体的には、エコマーク商品認定の使用申込書に使用の有無を記載の上、使用のある場合のみ別紙での規定の書類を添付することが必要となる。

なんだか難しい説明ですが、きちんと定められた基準に法り、適合することでエコマーク対象商品として認定を受けることができます。こういった規定関連は、近年ではかなり厳しくなっていますから、クリアするのも大変です。しかし、その分、認定された際にはきちんと保証がされた証拠にもなるので消費者や関連業者の方には安心してご購入いただけます。

【 グリーン購入法 】

EPS材は地球温暖化、オゾン層破壊に配慮したグリーン購入法適合商品になります。

グリーン購入法とは、持続可能な発展による循環型社会の形成を目指し、供給面だけではなく、国が率先して環境物品などを優先購入することで市場の促進に繋げることを目的とし2000年にそのような法律が制定されたものです。

ですから、国が何かを建築、建設を行う場合には率先して使用されるべき環境物品として、認定を受けているので大きな需要となります。また、国が率先して使用してくれると言うことは広告的にもかなり有利と言えるでしょう。

エコマーク_グリーン購入法

まとめ~EPS断熱材の環境対応~

以上が、EPS断熱材を使用する際の環境対応になります。断熱材としての機能や効果だけでなく、これからの未来のためにも考えられた優れた断熱材と言えるでしょう。ここまでくるのにはかなりの時間や、手間を要しましたが、これでお客様に安全・安心に使っていただけるので認定を受けた甲斐があります。

EPS材以外にもウレタンや、ポリスチレンフォーム、グラスウールなど様々な断熱材がありますが、EPS断熱材はこれからも優良断熱材として、もっと多くの方に知っていただき、活用してもらえるように頑張っていきたいと思います。まだまだ海外に比べると認知や普及は全体のほんの少しですが、これからはもっと普及していくことでお手軽な価格になり需要も増えると思います。

その中で出てくる疑問や、メリット・デメリットなどは多くなってくると思います。今後更に向上していくためにも必要なことだと思っていますので、そういったお声も含めて改善や思考錯誤を繰り返しながら最高のEPS断熱材を提供できればと思います。

是非、一度無料サンプルでお試しください。

他にもご質問やお問い合わせ等がございましたらお気軽にご連絡くださいませ。

 

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コラム監修者からのメッセージ

監修者
杉森 康裕(気密測定技能者)
断熱材は建物の性能の「柱」となる重要なポジションを担っています。私たちは一貫して「より良い住宅のお手伝い」をモットーに断熱はもちろん、気密や工法に関わる商品の提案・サポートを行っています。多くの方に『松原産業のパイナルフォーム』をご採用頂けるように精進していきますので是非よろしくお願い致します。

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