結露と断熱材の関係とは?
窓ガラスに文字が書けたりするのも結露によるものです。
今回の記事では、この結露と住宅の関係性についてご紹介していきたいと思います。
結露を抑えることで見えてくる住宅の快適性や長寿命など、住宅の天敵とも言われる結露について知識を付け、より良い住環境を整えましょう。
今回の記事のポイント
✓結露のメカニズムがわかる。
✓結露と住宅との関係性が理解できる。
✓結露の解決策がわかる。
更新日:2023/7/22
初稿:2020/10/9
《目次》
・結露はなぜ起こる?メカニズムについて
・なぜ、結露が住宅の天敵か?
・生活結露をなくすための解決策とは?
・結露から守るためにはっかり断熱
・結露と住宅の関係性についてのまとめ
結露はなぜ起こる?メカニズムについて
まず始めに、天気予報などで、湿度〇〇%などという表記を見たことがある方はいらっしゃいますか?
そしてこの表示の意味をおわかりですか?
きっと高いとジメジメするというような事ぐらいしか、理解されていないように思います。
この湿度というのは【相対湿度】と言われ、空気は温度によって、空気中に含む水蒸気の量がバラバラです。暖かい空気になればなるほど多くの水蒸気を含むことが可能となりますが、相対湿度というのはこの水蒸気量に対して、実際に存在している水蒸気の割合のことを言います。
暖かい水蒸気をたくさん含んだ空気が冷やされ、一定のラインを超えると余分な水蒸気は水へと変化します。これが結露の発生するメカニズムで、乾いたグラスに冷えたビールを注いだ瞬間に水滴がつくのも同じ現象になります。
一般的には、温度が低いと結露しやすいのですが、空気中の水蒸気の量が少なければ結露を起こしません。逆に、温度が高いと結露はしにくいのに、サウナのように水蒸気が溢れていると結露を起こしてしまいます。このように結露とは、温度や水蒸気の量などそれぞれのバランスが崩れることで発生します。
例えば…室温が30℃で湿度が50%のお部屋と、室温が0℃で湿度が90%のお部屋があったとします。この場合、30℃のお部屋には15.2g/m3の水蒸気があります。これに対し、0℃のお部屋には4.3g/m3の水蒸気しかなく、湿度は低くてもお部屋の温度が高い時には多くの水蒸気が存在することになります。
ここで仮に室温が30℃で湿度が50%のお部屋の室温を0℃まで下げたとします。0℃の飽和水蒸気量は4.8g/m3なので、差し引きすると10.4g/m3分が水蒸気の形でいられずに水へと変化します。
これが結露のメカニズムというわけです。
ちょっと専門的になってしまいましたが、これにより結露が窓や、ドアなどに発生してしまいます。
なぜ、結露が住宅の天敵か?
実は、結露には2種類あります。一つは【表面結露】、もう一つは【内部結露】です。これもそれぞれに特徴があるんですが、その特徴によって住宅へ及ぼす害も変わってきます。
表面結露
冬になると室内の窓ガラスに水滴がついて濡れている現象をよく見ますよね?
これは「表面結露」と言います。湿った暖かい空気が、冷たい窓や壁などに触れてツユを起こす現象で、これを防ぐには窓ガラスを二重にしたり、高性能の断熱材を使用したりして、室内の表面温度を下げないことがポイントになります。
また、この表面結露はカビやダニの大好物!その為、喘息やアレルギーの元にもなってしまいます。
カビが好む温度は25~35℃で、湿度は75%以上が好条件になります。
これまでは梅雨の時期や、高温多湿の状況に発生するものとされてきましたが、断熱の不十分な住宅では通年、カビの発生する条件が整とっているところが多いです。
カビやダニは住宅を汚したり、胞子やダニの死骸や糞が喘息やアレルギーの原因ともされますので、人にも健康にも良い住宅とは言い難いですよね。
内部結露
こちらも表面結露と同じように、室内の暖かい空気が壁や柱などの内部に浸透して湿らせることでツユを起こすもので、この状態が長引くと柱や土台などの建材を腐らせ、劣化させる原因になってしまいます。
柱や土台が腐ってしまっては住宅としての必要な強度が失われ、大きな地震が来ると崩れることへも繋がってしまいます。
この内部結露を防ぐ方法としては、壁などの内部に低温部分をつくらないことです。
そして、そこに水蒸気を入れないこと。
水蒸気は目に見えない細かさなので多くの建材を通り抜けてしまいます。
ですので、水蒸気を通しにくい断熱材を使って防湿効果を上げることが重要になってきます。
内部結露に最適な断熱材や、結露を抑えるための高品質な断熱材をお求めの方はパイナルフォームが断然おすすめ!
断熱材製品の中でも、優れた性能と機能を持ち合わせた優良断熱材です。
断熱材のことについてのご相談やお問合せはお気軽にご連絡ください。
生活結露をなくすための解決策とは?
日本の従来の生活では、人がいない部屋の暖気はされず、そのまま放置されていることが多く、そこへ人がいる部屋からの水蒸気が移動してきて結露が発生します。
ただ、生活の上では見えないところで様々な水蒸気が発生しています。
キッチン回りや、浴室、暖房器具や人間からも水蒸気は出ています。
自由に移動して逃げ場を探す水蒸気は、温度の低いところへと移動し、見つけては結露を起こします。
このように人間の生活に於いて起こる結露は「生活結露」と言います。
この生活結露を防ぐ対策としては極端に温度差があるところをつくらないこと!
その為に住宅全体を断熱し、屋外との温度差を低くする環境づくりが大切。
調理やお風呂に入る時など、瞬間的に大量の水蒸気が発生する場合には必ず換気扇などを回し、水蒸気を外へ逃がすことで防止に繋がりますから大事になってきます。
結露から守るためにはしっかり断熱
まずは、熱の流れを制御し、結露を防ぎましょう!
熱は高いところから低いところへ流れていき、一定の温度になろうとします。
断熱処理をきちんとしていない住宅だと、熱の逃げる割合は和室の場合、天井で言うと25%、壁だと65%、床においては5%と言われ、これがフローリングの場合になると天井34%、壁だと65%、床は22%と言われています。
また、壁から逃げる大半は、窓や出入り口からと言われますので、この熱の放出を少しでも減らすよう断熱性の良い住まいづくりが大切になります。それでは、この天敵の結露を防ぐにはどうしたらいいのか?
適材適所の断熱材を使用し施工すること
現在は開発研究が進み、とても高性能な断熱材が多いです!場所によって、水蒸気を生み出す原因も違いますので、その場所に合わせた断熱材を施工するのが良いとされます。
また、断熱材によっては素材も工法も様々ですし、住む地域環境によっても変わってきますので専門家の方とお話をしながら最適な断熱材を選択しましょう。
もしくは、断熱材の貼替えなどが難しい場合にはシートなどを使って層をつくることも効果的です。
ホームセンターなどで結露防止用のシートやスプレー、テープなどもいくつか種類がありますし、貼るだけで簡単なものも多く出回っています。
適材適所の断熱材選びについてのご相談やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
それぞれの場所に最適な断熱材を紹介いたします。
また、サイト 内には様々な場面での断熱材の情報を記載した【お役立ちコラム】がございますので、併せて参考にしてみてください。
結露防止に最適な断熱材はボード状の断熱材!!
EPS材を使用したパイナルフォームは優良断熱材としての実績もあり、隙間をつくらないようぴったりと施工することが可能です。
業者様向けにプレカットオーダーやサイズ指定も可能なので現場での施工性にも優れています。
お手元で本物を実感したいという方向けに【無料サンプル】もご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
また、【業者様向け特別仕切り価格】や【無料見積り】もご用意しておりますので、是非ご検討くださいませ。
換気を十分にすること
先ほどもお伝えしましたが、水蒸気は場所によって生み出される原因が違います。
例えばお風呂場やキッチンなどは、使用する際に多くの水蒸気を発生させるので、使用する際には常に換気扇を回すなど、少しでも水蒸気を外へ逃がしてあげることが重要となります。
きちんとお風呂の蓋を閉めたり、次に入る人がいない場合には排水してしまったり、浴槽のドアを閉めて換気し続けることで軽減されます。
除湿機や除湿剤を使用すること
これは、押し入れにタンスなど、お部屋の角部分でも出来ます。
普段はあまり見えない場所や、手付かずの場所には効果的です。
湿気を取ってくれる除湿機や、よく見る「水取りぞうさん」などを利用して隠れた湿気を取り除いてもらいましょう!
知らない間に沢山の水分を取ってくれているので、こまめに点検をして交換してあげることで効率的に湿気を取ってくれることでしょう。
室温を上げすぎないこと
やはり、結露は温度差によって起こるので、外気との温度差をなるべく少なくすることで軽減されます。とは言っても冬場なんかは難しいと思いますが、その場合は急激な温度変化を起こさないように、徐々に段階を踏んで室温をあげていくこともいいかもしれません。
また、暖房器具についても、ファンヒーターなど開放型の暖房機器は水蒸気を発生し結露を起こしやすいので、オイルヒーターやエアコンを使用するのがオススメです。
結露と住宅の関係性についてのまとめ
誰しも結露は起こしたくないものですよね…自分たちで出来ることはやっていく!そのことはもちろんですが、住宅そのものに関わってくるとなると専門知識もありますし、中々難しいと思います。
これから住宅を建てたり、リフォームを検討される方は是非、専門家やプロの方に結露についての要望などをお話してみてください。
現在では、高気密・高断熱のお家も増えています。各ハウスメーカーや工務店でも取り扱っているところは多くなってきましたので、そういったところを狙って見学してみるのもいいかもしれませんね!
高気密高断熱の住宅にも【パイナルフォーム商品】が多く採用されています。
高断熱で高い断熱性を誇り、隙間なく施工できることで高気密化も実現。住宅寿命にも繋がる高気密高断熱の住宅はZEHなどの基準もクリアし、国としても推奨している住宅造りです。
断熱材.jp監修者コメント
堀 清憲(気密測定技能者)
Hori Kiyonori
しっかり断熱をすることで、省エネ効果の高い住宅になることは容易に想像できますが、もう1つ大きなメリットがあります。断熱性能の低い家に住んでいる場合と高断熱住宅に住んでいる場合とでは、健康に対する弊害が生じる可能性も異なります。断熱は家の基本性能。皆さんが快適に暮らせるよう断熱材を通してお手伝いしていきたいと思います。