断熱材の役割について 仕組みや種類|おすすめ 人気 知識

断熱材の役割について 仕組みや種類

今回の記事では断熱材の本来の役割や使われ方などについてご紹介していきます。
実は奥深い断熱の仕組みや役割を知識として身につけ、普段の生活にお役立ちできるよう解説していきます。

断熱材

【今回の記事のポイント】
✔️断熱材の役割がわかる
✔️住宅での断熱材の用途や知識が身に付く

更新日:2023/11/21
初稿:2020/10/2

《目次》
断熱材の役割とは?初心者でもわかる!
断熱材の役割~住宅編~
断熱材の仕組みについて
対流による熱伝導とは?
断熱材には沢山種類がある

断熱材の役割とは?初心者でもわかる!

熱を断つから【断熱材】 身近なモノも実は断熱材だった!

自然の中でも実は断熱材と同じ役割をして熱を伝えにくくするモノは沢山あります。
例えば動物の毛皮や、鳥の羽など。これは動物の体温を守る為、寒い地域に住む動物は尚更、この断熱効果をもたらすモノが多いです。今では動物愛護団体の活動によって減少している毛皮のコートなんかもその一つです。

毛皮_断熱
昔はマタギや遊牧民などが当たり前に着ていた毛皮は寒さを凌ぐ先人の知恵だったわけです。
それが、いつしかオシャレや流行になり、大手の海外ブランドでも取り扱うようになりました。ふわふわで温かいコートは女性の憧れでした。

また、動物の巣も実は様々な断熱材を使っています。夏の暑さや冬の寒さから身を守る為、動物たちはせっせと巣作りをしますが、材料は様々で、木の枝を集めて囲うモノから、自身の羽を利用したり、泥や糞を使うものもいます。
これも全て自然の断熱材と言えます。また、知ってか知らずか動物たちはそれを本能的に利用するからすごいです。

鳥の巣_断熱

そして私たち人間も環境から身を守り、生活を豊かにする為、住宅や衣服などが進化し続けて今の形になっています。一番身近なところだと洋服や布団もそうです。

また、性能が上がっている魔法瓶や冷蔵庫なんかもそのうちの一つと言えます。スペースシャトルも大気圏へ突入する際は高熱を浴びるので、機体を守る為、開発研究を進めて特殊なセラミック素材を使っていたりするそうです。

スペースシャトル_大気圏_断熱材

こんな風に実は身近に色々とある断熱材ですが、元は熱をコントロールしたり、熱を周囲に伝えにくくしたりするような働きを求め、沢山の研究開発が進められて今に至ります。

住宅の断熱材も同じです。どのように熱を断つか、それがどんな効果をもたらすかが断熱材選びでは必要になります。

熱の伝わりやすさ熱の伝導率素材によって異なります
一般的には重いモノほど熱を伝えやすいと言われますが、重たいモノでいくと、金属やコンクリートなどがあります。これらは伝導率が良く大量に熱を伝えていきます。反対に軽いモノ、例えば空気なんかは熱を伝えにくい性質を持っています。なので内部に空気を含ませた物質熱を伝えにくくする効果があります
これらを考慮し、今までの企業努力などによって現在の断熱材の形になったとも言えるでしょう。

断熱材の役割~住宅編~

これは今まで述べた通り、熱を遮断し保温効果を高めるのが一番大きな役割と言えます。
断熱性能が高ければ高いほど外気を遮断し熱が逃げないようになるので冷暖房の効率も上がります。それにより、常にかかる光熱費のコストダウンにも繋がると言われています。

また、隙間を埋める役割もあるので、気密性を高めるというメリットもあります。住宅に隙間があると断熱効果は減少します。さらに隙間が無いことで換気の効率もあがり、快適な空気を循環させることへも繋がります。そして気密が高いとその分、漏れるということも少なくなるので多少の防音効果もアップするそうです。

断熱材_気密_パイナルフォーム

保温効果断熱性能隙間を埋めるような気密の高さを求めるのであればEPS材のパイナルフォーム商品おすすめです。
優良断熱材として、北極でも約40年間と断熱性能が低下しないと実証された断熱材です。プレカットオーダーやサイズ指定ができることで隙間なくぴったりと施工することが可能です。
無料サンプル業者様向けの特別仕切り価格お見積りもご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

気密性が上がることによって一番のメリットは住宅の寿命が長くなることです。
外気からの湿気を含んだ空気を取り込まなくて済み、換気能力も高いので湿った空気が停滞せずに結露などが起きなくなります。そうなると、カビの繁殖や腐食がなくなり、快適な住宅が長持ちするということになります。
そして、気密性の高い良い断熱材を使用することでヒートショックの減少にもなります。

ヒートショック

ヒートショックとは、寒いところから温かいところへ移動することによって心肺に負担がかかり心肺停止になることを言います。
日本においてもこのヒートショックは問題になっていて、老人がお風呂でなくなる原因の一つとされ、日本では年間、17,000人もの人が亡くなっているそうです。

これは世界でダントツ1位のようです。悲しいですが、年配の方々が住む家は昔の家が多いので今ほど断熱効果や気密性に優れていなかった為、こういった事が起こってしまうんですね。

断熱材の仕組みについて

では次に、断熱材の仕組みについてお話いたします。断熱材はまさに熱を抑える最強アイテムとも言えます。
先ほど、物質によって熱の伝導率が異なることをお伝えしましたが、この断熱の性能を表すのが熱伝導率で、この単位が〔W/(m・k)〕になります。
断熱材_仕組み

値が大きければ断熱効果が低いことになり、値が低ければ断熱効果は高いとされます。
建築業界では熱伝導率が0.1W/(m・k)より低いものを断熱材として使います。

気体の断熱性能を利用しているので、繊維系の断熱材は細かい繊維の隙間に空気を保つことで断熱性を確保しています。ただ、密度の低いものだと確保した空気が対流現象により移動し断熱の性能を低下させてしまう可能性もあります。その為、より細かい繊維で出来た高密度のものの方が信頼性があります

※対流現象とは…流体において温度や表面張力などが原因で不均質性が生じ、内部で重力によって引き起こされる流れが生まれる現象のこと。簡単に言うと、お風呂を沸かした際に、初めは上の方だけ温かく底の方は冷たいままで時間をかけて全体が温まるというのと同じ現象です。

断熱材_パイナルフォーム

プラスチック系断熱材の仕組み

プラスチック系は内部での熱は〈伝導〉〈対流〉〈輻射〉の組み合わせで伝わります。プラスチック部分によって〈伝導〉熱が伝わり、気泡の部分では〈対流〉によって熱が伝わります。その為、気泡の穴が大きくなると〈対流〉は活発になります。
その一方で〈輻射〉は気泡膜から気泡膜へ直接熱が伝わるので、気泡膜が増えれば増えるほどに〈輻射〉による熱伝導は弱まります。
その為、プラスチック系の断熱材の場合は細かな気泡で構成されたものがより高性能と言えるでしょう。

プラスチック系_断熱材

繊維系の断熱材とは異なり、高密度の断熱材として人気があるのはボード状の断熱材です。
発泡スチロールのように材料を発泡させ、凝縮したような断熱材は隙間もなく空気が漏れたり通ることがないので対流現象なども起きません。

断熱材の信頼性が高いパイナルフォームしっかりと断熱材としての役割を果たす家づくりを行っていきましょう。パイナルフォームの無料サンプルや、断熱材のことに関するお悩みやご相談もお気軽にお問い合わせください。

対流による熱伝導とは?

日本の住まいづくりにおいて、昔から建物の中に【風の道】を造ることを重要視しています。風の通り道があるかないかで住宅の快適さは各段に差があり、これは日本人の知恵と言えます!

窓_空気_循環

建物には大きな窓が設置されます。空気や風が入ってくる窓があれば、出ていく窓も必要です。それが風の通り道となり、室内の空気を上手に循環してくれます。

昔は風の向きや質にも目をやり、北風が当たりすぎないような造りや、土地によって風が起こりやすい向きなども見計らって家づくりを行っていました。

その他にも、土壁や漆喰を使用したり、下見板張りなどといった通気性に優れたものを使用することで熱の循環をよくします
また、欄間などがある場合は、欄間によって室内の空気の流れを保ち循環させることで、常に通気性の良い快適な空気を保ちます。現代のコロナ禍のように換気や循環が必要な場合には有難く、最適です。

先人の知恵はすごく、熟練した経験や知恵を持った職人さんの造る家は機能性や快適性も含め建築していました。現在ではデザイン重視の家が多く立ち並ぶようになり、欄間のような窓や開放的な空間も少なくなりましたが、日本のような四季折々を感じる国は珍しく、こういった工夫があることで通年して快適な住宅を手に入れることが出来たのです。

和室_欄間

断熱材には沢山種類がある

断熱材と言っても種類が沢山あって初心者にはわかりづらいことも…。
素材や形によっても性能は変わることや、用途や使用する場所によっても選ぶ基準が異なること。そして、そもそも断熱材のことについて興味も重要性も理解していない人が多く、住宅を建てる際にも中々こだわらず、任せてしまう部分が多いというのが現実です。

もちろん、専門家やプロの方にお任せすることは間違っていませんが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておくことで納得のいく家づくりに繋がり、大切になってきます。

納得の家づくり

建築資材として使用される断熱材は【繊維系】【天然素材系】【発泡プラスチック系】と大きく3つに分類されます。
【繊維系】には[無機系][木質繊維系]があり、[無機系]の中の代表はグラスウールです。グラスウールはガラスを溶かして繊維状に加工したもの。

[木質繊維系]では、古紙を再利用したセルロースファイバーが代表的です。【繊維系断熱材】に関しては、価格も安くお手頃ではありますが、材料の中に水蒸気が入りやすい特質を持ちますので防湿効果をあげる施工が必要になり、防湿シートなどを施工することが必須です。

防湿シート_断熱材

【天然素材系】に代表されるのは羊毛やコルクといったもので、最近は色々な種類のものが商品化されているようです。
天然素材というだけあって元々の素材を生かすものになるので環境配慮や人体への影響を及ぼすことも少ないです。ただ、天然なので断熱性能の割には価格が高いところがありますので、どこを取るかということになってきますね。

【発泡プラスチック系】は様々なプラスチックを発泡させ製造します。
私たちが取り扱う断熱材で一番多いのははポリスチレンで、これも製造方法によって2種類に分かれます。[押出発泡ポリスチレン]は連続発砲させてつくります。一方は、よく耳にする発泡スチロールと呼ばれる[ビーズ法ポリスチレン]で粒状のポリスチレンを型に入れて発泡させつくります。

発泡スチロール_断熱材

プラスチック系断熱材は発泡スチロールと同様に、耐水性に強く変形もしにくいです。そのため、長期安定型の断熱材としても認められています。他の素材に比べると比較的高価な断熱材ではありますが、他の素材と比べ、断熱性能の高さ長期的な面での劣化や腐食は劣ることはなく、長い目で見て判断することが重要です。

パイナルフォームプラスチック系の断熱材として代表的です。まずは無料サンプルにて本物をお手元で実感してみてはいかがでしょうか?

この他にも細かくお話するとまだまだ種類はありますが、代表的なものとして以上を挙げさせていただきました。
これだけ聞いても何を使ったらいいのか判断に迷いますよね…。ただ、一つ言えるのが、時代の変化と共に環境や住宅事情も変わってたということ。そして、それに合わせて日々、開発研究されていることから人工の【発泡プラスチック系】は今の時代に合っているんじゃないかと思います。

とは言っても、皆さんそれぞれにこだわる部分もあると思います。環境に優しくありたいという自然派であったり、少しでも金額を抑えたいという堅実派さんだったり。それぞれに合ったものを選んで納得のいくモノを手に入れていただければそれが一番だと思います。
是非、わからないことや、聞きたいこと、相談なんかがあれば住宅の専門家や、断熱材のプロに相談しましょう!

プロに相談

弊社でも断熱材でお困りの方や、お悩みがある方からよくお問い合わせをいただきます。
断熱材はどちらかと言うと専門的な分野になるので、わからないことの方が多いと思います。そんな時はお気軽にお問い合わせください。

また、業者様からのプレカットオーダーやサイズ指定厚さや納期についてのお問い合わせも常時受け付けております。なるべく現場の要望にお応え出来るよう対応していきたいと考えておりますので、それぞれお気軽にお問い合わせください。

コラム監修者からのメッセージ

監修者
杉森 康裕(気密測定技能者)
断熱材は建物の性能の「柱」となる重要なポジションを担っています。私たちは一貫して「より良い住宅のお手伝い」をモットーに断熱はもちろん、気密や工法に関わる商品の提案・サポートを行っています。多くの方に『松原産業のパイナルフォーム』をご採用頂けるように精進していきますので是非よろしくお願い致します。

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