パイナルフォームとグラスウール/その他断熱材の比較
数ある断熱材の中でも、今回はパイナルフォームとグラスウールに注目し、断熱材の比較をしていきたいと思います。
【今回の記事のポイント】
✓それぞれの特徴を理解し、それぞれの良し悪しがわかる。
更新日:2023/9/27
初稿:2019/11/20
《目次》
・グラスウールとその他一般的な断熱材
・パイナルフォーム
・パイナルフォームとその他断熱材との性能比較表
・EPS断熱材パイナルフォーム
・押出法ポリスチレンフォーム
・フェノールフォーム
・吹付ウレタンフォーム
・グラスウール
グラスウールとその他一般的な断熱材
グラスウールやその他断熱材とEPS断熱材パイナルフォームの一番大きな違いは 「長期安定性」「工期短縮によるコストカット」「短納期」 です。
一般的な断熱材のグラスウールは、繊維の中に空気を含むことで熱を伝えにくくするため、水に濡れてしまったり、湿気を含んでしまうと思うように断熱性能を発揮できません。
主にデメリットは①耐水性が低い②施工の技術が必要③耐久性に劣る
その他一般的な断熱材も上記と同じく、耐水性や劣っていたり、施工にムラがあるため、断熱材として経年劣化がパイナルフォームと比べて早くなります。
パイナルフォーム
EPS断熱材パイナルフォームは、一般的な断熱材に比べると圧倒的に長期安定性に優れております。(一般的な断熱材に比べて経年劣化しにくい)
また、「工期短縮によるコストカット」や、「メーカーならではの短納期」に魅力を感じていただけた工務店様や設計事務所様は多くいると実感しております。
一般の断熱材とEPS断熱材パイナルフォームの違いなどを含めてそれぞれご紹介していこうと思います。まずは断熱材の比較表をご覧ください。
パイナルフォームとその他断熱材との性能比較表
EPS断熱材パイナルフォーム
- 長期安定性・・・カビや腐食にも強い、南極で約40年間もの間、断熱性能が劣化しないことが証明
- 耐水性・・・優れた耐水性と高耐久性。独立気泡で構成されており、吸水率は極めてわずかな値
- 施工性・・・施工性ダントツ1位。事前に指定の寸法でプレカットして納入するため非常に施工性◎
- 断熱材性能・・・断熱材の厚みを調整することで熱抵抗値を高め断熱材性能を良くすることが可能
- 吸音性・・・板状の製品は音を反射させるため吸音には向かない
- リサイクル性・・・リサイクル性に優れF☆☆☆☆、グリーン調達品目に該当する
- 価格・・・その他断熱材に比べると若干高いが、現場での端材の発生が少ない=産廃費用を削減や施工部位に充填するだけなので工期短縮=工賃の削減が見込める
- 工期・・・施工部位に充填するだけなので工期短縮
- 納期・・・自社工場から直送のため短納期
押出法ポリスチレンフォーム
- 長期安定性・・・紫外線や80℃以上の温度で劣化・変形する
- 耐水性・・・EPS断熱材パイナルフォームと同様、水に強く軽量
- 施工性・・・軽量でサイズが自由自在だが、原寸納入の場合カットなどしなければいけない
- 断熱材性能・・・断熱性能が高い
- 吸音性・・・吸音性は低い
- リサイクル性・・・リサイクル性に優れF☆☆☆☆、グリーン調達品目に該当する
- 価格・・・グラスウールなどの繊維系に比べると高価
- 工期・・・カットしやすいので比較的早い
- 納期・・・メーカー→商社→問屋のため遅くなる可能性がある
フェノールフォーム
- 長期安定性・・・紫外線で劣化する。比較的衝撃に弱い素材
- 耐水性・・・プラスチック系断熱材の特徴の一つで、グラスウールに比べて水・湿気に比較的強い
- 施工性・・・施工性は高いが、専用のビスで留めてその後に継ぎ目に気密テープを貼る必要がある
- 断熱材性能・・・熱伝導率がとても低い=高い断熱性を持つ
- 吸音性・・・吸音には向かない断熱材
- リサイクル性・・・ホルムアルデヒド発散建材に指定されているのでF☆☆☆☆を使用する
- 価格・・・価格が非常に高い
- 工期・・・比較的時間がかかる
- 納期・・・メーカー→商社→問屋のため遅くなる可能性がある
吹付ウレタンフォーム
- 長期安定性・・・紫外線で劣化・変形する
- 耐水性・・・グラスウールに比べて強い
- 施工性・・・どんな場所でも施工できる
- 断熱材性能・・・繊維系断熱材(グラスウールなど)に比べると熱伝導率が低い=断熱性能がある
- 吸音性・・・吸音には向かない断熱材
- リサイクル性・・・低い
- 価格・・・低い〜普通
- 工期・・・施工には専用器具を使用する必要があり、技術にムラがあると、比較的時間がかかる。
- 納期・・・メーカー→商社→問屋のため遅くなる可能性がある
グラスウール
- 長期安定性・・・きちんと防水加工をしないと断熱効果は低下する
- 耐水性・・・耐水性が低い。湿気対策が必要。
- 施工性・・・壁などに充填する場合が多く、隙間なく埋めることが必須で施工にムラがでる
- 断熱材性能・・・繊維密度が高いほど断熱性能に優れている
- 吸音性・・・グラスウールの空気層で吸音効果がある
- リサイクル性・・・リサイクルガラスになるので環境においてもエコな素材
- 価格・・・価格が安い
- 工期・・・比較的時間がかかる
- 納期・・・メーカー→商社→問屋のため遅くなる可能性がある