天井断熱についてのご紹介
住宅の上部で断熱を行う際には2つのパターンがあります。一つは以前もご紹介した【屋根断熱】です。もう一つは【天井断熱】です。
天井断熱は断熱の一般的な工法とも言われ、昔はほぼ天井断熱だったのではないかと思います。
天井断熱は繊維系の断熱材(グラスウール)を使用することが多く、屋根断熱とは異なり、天井より上は外と同じ扱いとなります。
そのため、夏場は熱せられ高温になりやすく、こまめに換気することが必要とされていました。
昔、夏場になると2階の寝室では熱せられた空気が停滞したために寝苦しく、1階へ移動して寝ていたなんてことはよくありました。
皆さんも夏の暑い日に2階へ行ってモワッとした空気を感じたことはありませんか?それは天井断熱が要因だったのかもしれません。今回はこの「天井断熱」について詳しくご紹介していこうと思います。
今回の記事のポイント
✓天井断熱の特徴がわかる
✓天井断熱のメリット・デメリットがわかる
✓天井断熱で効果を出す方法や費用についてわかる
更新日:2023/6/23
初稿:2021/11/8
《目次》
・天井断熱の特徴と仕様について
・天井断熱のメリット・デメリット
・天井断熱で効果を出すために
・天井断熱のリフォームと費用相場
・天井断熱について~まとめ~
昔の古い家などは現在ほど断熱材の性能が良くなかったり、施工に不備があったり、そもそも断熱材がないことはよくありました。そうなると日中の太陽によって熱せられた空気がそのまま熱気として屋根裏から2階部屋に流れてこようとします。空気は常に逃げ場を探すように移動するので、隙間があったりドアが開いているとその方向へ向かって移動します。
現在、夏になると高齢者の方の熱中症が多くなるのも、古い家で断熱性能も低く、一定の気温を維持できないことも少なからず背景にあるようです。
皆さんが住んでいる家は【屋根断熱】ですか?それとも【天井断熱】ですか?
今回は【天井断熱】について解説していきますので、ご自宅と見比べてみたり、新築やリフォーム・リノベーションをご検討中の方は是非、参考にしてみてください。
また、断熱材のことで何かご質問やご不明点等がございましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。専門家として、住宅に適した工法や素材をご提案いたします。
天井断熱の特徴と仕様について
天井断熱は屋根断熱に比べ、比較的簡単に施工可能です。
屋根裏から入り、断熱材を敷き詰めたり、張ったりする事で施工できます。そのため、既存の住宅に断熱性能をプラスしたい場合などは、プチリフォームを考えてみるのも方法としてはいいかもしれません。
例えば、断熱材が薄かったりすると、新たに断熱材を足してあげるだけでも全然違ってきます。ただし、素材によって難しい場合もあるので事前に確認が必要です。
もし、築年数が古い住宅などに住まわれている方は、見直しを含めてメンテナンスをお願いしてみるのもいいかもしれません。また、断熱材が入っていたとしても先ほどもお伝えした通り、今と昔では素材の質が全然違います。昔の暑さでは耐えれてきたかもしれませんが猛暑が続く昨今では既に対応しきれないものが多くあります。築年数25年以上になるのであれば一度、断熱材を取り扱っている会社に見てもらうことをオススメいたします。
断熱材の施工の中でも天井断熱は手軽に行えるものなので、DIYで行う方もいらっしゃいます。
その際には、隙間が出来ないようにしっかりと気密性を取ることや、素材の特性を知った上で工法を選び、施工する必要があります。
弊社で取り扱っている断熱材のパイナルフォームは軽量で施工性に優れています。また、断熱性能も高く、優良断熱材としての実績もあります。寸法などが既にわかっている状態であれば、サイズ指定やプレカットオーダーでの注文も可能なので、無料サンプルと併せて是非、参考にしてみてください。
天井断熱のメリット・デメリット
それでは続いて天井断熱のメリット・デメリットについてお話していきたいと思います。
どんな工法にもそれぞれの良し悪しがあります。自宅の構造や環境に合わせて最適な素材と工法を選択することが重要で、それにより断熱性能のアップも期待できます。
天井断熱のメリット
天井断熱の第一のメリットは断熱材の厚さに制限がほとんどないこと!
暑さ寒さ対策を強化したい場合、断熱材をいくらでも厚くして断熱性能を高めることが可能になります。
また、屋根断熱とは違い、断熱面積も小さいのでコストも抑えることができます。使用する材料が繊維系であれば価格も安価で施工自体も簡単に済み、そういったところでもコストダウンが見込めます。
ただし、繊維系の断熱材を使用する場合には経年劣化も考慮しておく必要があります。重力や耐水性に弱い繊維系の断熱材(グラスウールやセルロースファイバー)は湿気によっての劣化が早いです。
次に、天井断熱のメリットとして考えられるのは、空調のランニングコストを抑えることが可能なところです。屋根断熱に比べ、天井断熱は冷暖房機器を必要とする空間が小さくなります。そのため、通年で考えると冷暖房費が節約され、省エネになるとされています。
省エネは家計的にもとても有難いことですよね!
ただし、こちらも注意が必要で、きちんとした施工がなされていないと隙間や均等じゃない厚みによって上手く断熱が行えないことがあります。そうなってしまうと断熱効果がうまく発揮できず、冷暖房機器を省エネするどころか必要以上に稼働させてしまうことになります。
天井断熱のデメリット
天井断熱のデメリットで多く挙げられるのは、空間利用ができないことです。
天井に断熱材を使用する為、屋根裏を部屋やモノ置きとして使用することが出来ません。桁上に作った場合でも夏は猛烈に暑く、冬は外気温とほぼ変わらない状態になり快適に使用することは難しいでしょう。
また、前途でもお話したように施工自体は簡単かもしれませんが丁寧な仕事が必要とされます。と言うのも、断熱材と断熱材の間に少しの隙間があると断熱の効果を減少させてしまうことに繋がりますし、天井をつっている材(桁・梁や吊り木など)があるので雑な仕事をしてしまうと断熱の効果が無くなるどころか家を劣化させてしまったり、耐久性を失ってしまうことにもなってしまうからです。
天井断熱で効果を出すために
天井断熱にも結露が発生します。結露は住宅の天敵とも言われるほどで、お家の劣化に繋がやすいです。
そんな結露を防ぐために、まずは換気法を知っておきましょう。
天井断熱には「小屋裏換気」が必要です。屋根と天井の間の空間を小屋と呼び、小屋裏に外気を取り入れて換気をします。夏場にはこの小屋裏は60℃~70℃近くまで温度が上がるとされ、夜になると温度が低下し、結露の発生要因となり、カビなども発生させてしまいます。
結露やカビによって木材は劣化し、腐食していきます。そうならないために軒裏や棟に換気部材を取り付け空気の流れをつくります。
昔はよく、外壁の屋根付近に格子状の換気口があったのを目にしませんでしたか?
あれは小屋裏の換気を行うためのものです。現在は24時間換気システムの導入や、そもそもの断熱材の性能や品質が上がったことであまり見られなくなってきましたが、天井断熱をする場合には小屋裏の換気は必須です。
また、施工には十分な注意が必要です。
今までお話してきた通り、きちんとした施工がなされなければ、どんなに高性能な断熱材を使用しても効果は薄れてしまいます。
厚みにバラつきが出ないようにすることや、隙間をつくらないようにすることで気密性を高めます。空気は隙間があればどんなところにも移動します。それにより、温度差が生じ、結露へと繋がります。また、耐水性に弱い断熱材を使用する際には必ず防湿シートを合わせて施工しましょう。
パネルやボード状の断熱材で発泡スチロールと同様の素材であるパイナルフォーム商品であれば、耐水性にも強く、プレカットによって隙間なく施工することが可能です。繊維系の断熱材と比べても劣化スピードが遅く、極寒の地でも約40年間と断熱性能が低下しないという実績を持つ、長期安定型の断熱材と言えます。
パイナルフォーム商品をご覧になりたいかたは無料サンプルにてお手元で本物を実感することが可能です。また、業者様向けに特別仕切り価格や無料見積もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
天井断熱のリフォームと費用相場
天井断熱のリフォームは、天井裏に断熱材を施工するのが一般的です。工法は主に、「充填工法」と「吹込み工法」に分かれます。
「充填工法」は建材の隙間を埋めるように断熱材を敷き込み、「吹込み工法」は発泡ウレタンなどで隙間を埋めていく工法になります。
「充填工法」は比較的に安く施工できるとされ、隙間ができないようにしっかりと施工し、気密を高める必要があります。反対に「吹込み工法」の場合は、発泡ウレタンになると特殊な材料を使用するので専門業者による作業となり、DIYは難しく費用も高くなるケースが多いです。綿状のグラスウールやロックウールなどの断熱材の場合には厚みを均等にしつつ、隙間に埋め込まなければなりません。
見える部分や大きい面積であれば心配ありませんが、細かい部分や表に見えない部分に上手に施工するのには技術が必要となります。
また、綿状の断熱材は綿の間に空気の層をつくり断熱効果を高めます。そのため、厚みはもちろんですが、時間の経過と共に空気が抜け、沈みやすくなります。そうなってしまうと断熱効果は低下します。そのため、古い住宅でグラスウールなどを使用している場合にリフォームや補修工事を希望される方が多いです。
リフォームをする前には必ず、メンテナンスや点検をし、全体の状態をチェックします。
そこで、天井を剥がして工事を行うのか?工法や断熱材の種類を検討し、選択していきます。ここでポイントになるのが通気 口です。通気口を設けていても気流がうまく流れていかないと設置の意味がありません。実際にそれで通気口も新たに場所を変更することもあります。
以上のようなことを全て抑え、正しいリフォームをすることが重要です。
天井断熱をリフォームする際にかかる費用は、天井を剥がす場合や、工法、使う断熱材の種類によっても金額は異なり、費用相場も一概には言えません。ただ、安く済ませたいからと言っても、住宅の構造上の向き不向きもあるので事前に建築関連の専門家に見てもらい、お見積りを出してもらうことが良いでしょう。
最近では、高気密高断熱の住宅が主流となり、全面に板状の断熱材を使用する住まいが多いです。床や壁も含め、様々な場所で活用されています。弊社で取り扱っている断熱材のパイナルフォーム(EPS材)も優れた機能と性質を持っている為、資材以外でも幅広い分野で人気があります。
天井断熱について~まとめ~
いかがでしょうか。こちらの記事をご覧になって天井断熱のメリット・デメリットや特徴など、ご理解いただけましたでしょうか?
住宅の上部で行う断熱は主に、今回ご紹介した「天井断熱」と「屋根断熱」の2種類になります。どちらも良し悪しはあり、目的や用途によって選ぶ基準も異なります。
大きく違うところは、天井裏の空間利用が出来るかできないかといったところで、勾配天井やロフト、屋根裏を収納スペースとして活用したい方には「屋根断熱」が採用されます。このように内装の使用や、タイプによっても選択は変わるので、どちらの断熱も間違いではありません。
ただし、注意点として、どちらも隙間をつくらないようにすることや、熱を断つことが第一優先です。どんなに優れた断熱材を使用しても隙間があっては結露の原因となり、断熱効果を果たしません。
弊社の人気商品である断熱材「パイナルフォーム」は成形が自由なことで、どんな場所にもピッタリと隙間なく施工することが可能です。また、現場での微調整が必要になった場合でも、その場でカットすることができます。
まずは、無料サンプルにて高性能で施工性に優れたパイナルフォーム商品をご覧になってみてはいかがでしょうか?
サイズ指定やプレカットオーダー、送料や配送についてなど、ご質問やご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。
断熱材.jp監修者コメント
杉森 康裕(気密測定技能者)
Sugimori Yasuhiro
断熱材は建物の性能の「柱」となる重要なポジションを担っています。私たちは一貫して「より良い住宅のお手伝い」をモットーに断熱はもちろん、気密や工法に関わる商品の提案・サポートを行っています。多くの方に『松原産業のパイナルフォーム』をご採用頂けるように精進していきますので是非よろしくお願い致します。