内部結露とは?見えない天敵
以前にも結露についてはお話してきましたが、今回は結露の内の一つである内部結露についてお話していきたいと思います。
内部結露という言葉は今までも何度が使用してきましたが、きちんと伝えきれていないと感じ今回に至ります。内部結露は住宅の天敵とも言われ、放っておくと住宅の寿命を縮めてしまう恐れもあります。
一番多いのが壁内です。見えない内部だからこそ、気付かずにそのままになってしまうケースがほとんど。
まずは、内部結露がどんなものなのか?どうして起こるのかなどを防止することもふまえて詳しく紹介していきたいと思います。
【今回の記事のポイント】
✓内部結露が起こるメカニズムや対策がわかる。
更新日:2023/7/22
初稿:2021/7/26
《目次》
・内部結露とその原因は?
・内部結露が厄介なわけ
・内部結露を軽減する対策
・内部結露が起こる場所
・内部結露をさせない家づくり
内部結露とその原因は?
温度によって空気中に含まれる水分量は決まっています。温度が高ければ高いほど水分を多く含み、温度が低いとあまり水分を含みません。沸騰したお湯を思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。
冬場の室内は暖房によって温度が高くなっています。そのため、たくさんの水分を含むことができ水蒸気が起きやすいのです。
そして外気と直接触れ合っている窓やサッシ付近は温度が低くなりやすく、水分を含むことができずに水滴となって窓際に付着します。これが表面結露です。
内部結露とはどういうものかと言うと…原理は表面結露と同様で、部屋の暖かい空気が壁の内部に侵入し、壁内だけでなく床下や天井裏で結露を起こすというものです。
私たちが目で見て確認できる窓やサッシで結露が起きてもこまめに拭き取ったり対策ができますが、内部結露は私たちの見えないところで知らない内に発生していることがほとんどです。そのため、対策もしにくく、気付くのが遅くなりカビの繁殖や腐食の原因となりとても厄介なものです。
壁の中で結露が発生するのはなぜでしょうか?
水蒸気を含んだ湿った空気は温度が低い方へと流れ、逃げる性質があります。そのことで、冬は室内から室外へ移動し、夏は屋外から室内へと移動してきます。その際に壁面や床下、天井などへ移動すると部屋との温度差によって急激に空気が冷やされ、結露となってしまうのです。
内部結露が厄介なわけ
表面結露も放置しておくとサッシにカビが発生し、隣接した木材にまで浸透していき危険ですが、内部結露の場合は断熱材や家の骨格となる木材にまでカビが広がり腐ってしまう恐れがあり厄介です。それにより家の耐久性にまで影響を及ぼしかねません。
さらには、内部結露が起きることで住宅全体でカビが発生しやすい状況をつくり、住む人の人体や生活にも被害があり、喘息やアレルギー症状を引き起こす原因となります。
また、カビはダニの餌にもなりダニの大量発生に繋がることも…。内部結露を放置しておくと家の寿命だけでなく、人の健康面に於いても大きな影響を与えます。
内部結露を軽減する対策
内部結露をなるべく起こさないようにするために出来る対策とは?
1:湿度を管理する
一番初めに取り掛かれる内部結露の対策は湿度の管理・コントロールです。
夏場は特に湿度が高くなりやすいので、除湿機やエアコンのドライ機能を利用する他、換気を十分に行い、家全体で湿度が高くならないように心掛けましょう。
2:防湿シートや湿気取りの活用
ホームセンターなどでも販売している湿気取りを湿気の溜まりやすい場所に置いたり、家の建設時に防湿シートを施工するのも良いとされます。現在はグラスウールなどの断熱材の内側に防湿シートを貼るのが一般的です。
グラスウールやセルロースファイバーなどの断熱材は耐水性に弱く、湿気を通過させやすいのが難点です。そのため防湿シートが貼られていますが、長期的な面で見るとその効果は薄れていき、いづれは劣化や腐食に繋がります。
しかし、現在では結露や耐水性に強い断熱材が開発され、経年劣化も著しく落ちることのない素材としてボード状の断熱材があります。中でもパイナルフォームの断熱材は発泡スチロールと同様の原料になるので耐水性にはかなりの自信があり、長期安定型の断熱材として知られています。
まずは無料サンプル資料請求にて、信頼と実績のあるパイナルフォーム商品をご覧ください。業者様向けの特別仕切り価格や無料見積りもございますのでお気軽にお問い合わせください。
3:外張り断熱工法にする
住宅の断熱材はほとんどが構造内の隙間に入れ施工していきます。グラスウールなどの綿状の断熱材や、吹き付けと言われるウレタンフォームなどもその類です。この工法は充填工法と言いますが、素材によっては断熱性能が20年と持たないものもあります。
そうなった時には断熱材リフォームとして外張り断熱が採用されます。中古物件や既に長く住み続けた築年数が古い住宅にも適用できます。
外張り断熱の良さは家を丸ごと断熱材で覆う形になるので内部結露も起こりにくくなります。ただ、充填工法よりもコストが掛かってしまう傾向にもあるのでそこはよく検討してください。
以上が既存の住宅に於ける内部結露の対策になります。
既に築年数が古く、上記の対策だけではまかないきれない場合にはリフォームをおすすめします。昔の住宅は流行りや低価格なことからグラスウールの使用が多かったのですが、今の住宅環境には不向きです。
これから新築を検討されている方は是非、ボード状のEPS材を使用したパイナルフォームを取り入れることが良いでしょう。
住宅を建てる上で、今まではあまり重要視されてこなかった断熱材ですが、現在のように自然災害や気候変動が活発になってきた日本では重要なポイントになります。
よって、内装のインテリアやデザインにお金を掛けるよりも家の基本的な部分に注力することで失敗のない家づくりが出来ると思います。
内部結露が起こる場所
内部結露が起こりやすいのは外壁や屋根周り、床下などになります。それぞれの場所で内部結露が起きやすいメカニズムを解説していきます。
《壁や外壁周辺の内部結露》
北海道や東北地方などの寒冷地では外気と部屋の温度差が大きくなりやすいです。そのため、断熱材内部で結露を起こすことがあります。
断熱材の中に含まれる空気中の水蒸気が、外気によっ影響を受け外側で結露を起こします。
そのため、外壁の外側にカビが発生したり、寒冷地では凍って氷に変化することもあります。いくら丈夫な外壁であっても長年続くと見た目にも素材にも悪影響を及ぼしかねません。外壁をこまめに拭いたりすることもないので知らない内に意外と浸食されていることも…最悪の場合には外壁リフォームが必要になることもあります。
そうならないためにも、断熱材の施工には気を付けていく必要があります。
先ほども述べましたが、まずは耐水性に優れた素材を採用することや、外気の侵入を防ぐために気密の取れた施工を行うことも重要です。
最近よく耳にする「高気密高断熱」というワードは正に理にかなっています。隙間が空くことで外気が侵入し、室内との温度差によって結露を起こしますから、隙間なくぴったりと断熱材を施工することで予防にも繋がります。綿状の断熱材は施工当初は気密が取れても、数年するとヨレや沈みによって隙間が空いてきてしまいます。
気密性を高めるためにはボード状の断熱材が最適で、プレカットによって壁や外壁のサイズぴったりに施工することが可能となり、板になっていることで厚みも出せ、ヨレや沈みの心配もありません。
パイナルフォームはプレカットのオーダーもできる上に、現場で多少の誤差があったとしてもその場でカットすることが出来ます。施工性にも優れ、職人さんたちには喜ばれる素材です。
《床下での内部結露》
床下で起こる湿気増加の原因は主に地面からの湿気の上昇とも言われます。
昔の住宅のように床下に空間があって換気口が設けられている家などは、床下に屋外の空気が自由に流れます。そのため、床下の温度は外気と変わらず、また温度差によって結露が発生します。
湿気を吸収しにくい断熱材を使用すると床下に湿気を帯びた空気が停滞し、木材やフローリング、畳など中の水蒸気が結露を引き起こします。床下断熱を行うか、基礎断熱を行うかによっても状況は異なります。
基礎断熱を選択した場合には、床下の空間利用もできるので床下収納などを設置することが可能です。
ただし、床下断熱と基礎断熱にもそれぞれメリット・デメリットがあるので、両方を比べてみてどちらが良いを検討してみてください。下記コラムも参考になるのでご覧になってみてください。
《建材の接合部での内部結露》
木造建築で傷みが激しく、傷みやすい部分というのは木材とコンクリート、金属などとの接合部分になります。異素材が接触することで負担もありつつ、実は大きな要因は内部結露だったりもします。
木材は熱を持ちやすく、冷めにくい特性があります。一方のコンクリートや金属というのは熱しやすく冷めやすい熱伝導率の高い材料と言われます。気温が下がる夜や明け方などになると、木材の中で金属などが冷やされて結露が起きます。木材には調湿効果もあるものの、結露などの水滴を吸収するまでには時間が掛かり、吸収する前にまた日中になりと同じことを繰り返します。
それを知ってか知らずか、昔から神社や仏閣は釘を一切使用せず、組木だけで建築することで何百年と木造建築が残ります。
異素材を使用することなく、内部結露も起こさない。そして、木の伸縮によって調湿することで適度な湿気をコントロールすることは、今もなお、長く現存し続ける理由の一つかもしれません。
内部結露をさせない家づくり
今までお話してきたように内部結露をさせないためには事前に、結露しにくい素材を使用したり、設計段階で気密をとることなどが重要になります。例えば、自然素材を使った建材を選ぶことで環境にも住む人にも優しい家がつくれたり、調湿性を兼ね備えた漆喰や木材を取り入れた内装にすることで結露の発生が起きにくくもなります。
最近ではZEHといった高気密高断熱の住宅も増え、内部結露をさせない家づくりと一緒に環境配慮を考えた家が国や自治体でも推奨されています。高性能の断熱材の使用や、24時間換気システムの導入など様々な基準の上に造られ、高性能住宅としておすすめです。
また、内部結露を防ぐには断熱材の取り付け方も大切です。間違った方法で断熱材を施工すると内部結露を起こす原因にもなってしまいます。
実際に、住宅の壁が筋交いの場合、建材が斜めに入ります。地震のための耐震性などに優れ適用されますが、断熱材をきちんと施工するのが難しかったりもします。構造上、壁が真四角の際にはどんな断熱材でも施工しやすく、隙間なく埋めることができます。
そして、断熱材の施工は専門職というよりも大工さんや職人さんが一緒に施工することが多く、気密や断熱の重要性や知識をしっかり理解している人ばかりではないため、粗が出てしまうこともあります。
断熱材は素材と施工がセットになって初めて効果を高めるので、優れた断熱材を使ってもきちんと施工されなければ意味がありません。
その点、パイナルフォーム商品は筋交いでもプレカットによってぴったりと施工することが可能な上、熟練の技術も必要ありません。
簡単に施工できることで工期の短縮にも繋がる優れた断熱材です。
優良断熱材として評価も高い高性能な断熱材で、施工も正しく出来ることで内部結露を防ぐことにも繋がります。
パイナルフォームは他にも優れた面が多く、現在の住環境にはオススメの断熱材です。無料サンプルにてその性能や特徴を実感してみてはいかがでしょうか?もちろん、現場のサイズに合わせてプレカットすることも出来るのでお気軽にお問い合わせください。
また、業者様向けの特別仕切り価格や無料見積りも承っております。
コラム監修者からのメッセージ
断熱材は建物の性能の「柱」となる重要なポジションを担っています。私たちは一貫して「より良い住宅のお手伝い」をモットーに断熱はもちろん、気密や工法に関わる商品の提案・サポートを行っています。多くの方に『松原産業のパイナルフォーム』をご採用頂けるように精進していきますので是非よろしくお願い致します。