外壁の断熱材について~種類や工法~|新築リフォームにも

外壁の断熱材について~種類や工法~

現在の住宅の外壁には必ず断熱が施工されています。断熱材がなければ夏は暑いまま、冬には寒すぎて快適な暮らしとは程遠い家になってしまいます。今回の記事ではこの外壁に使用する断熱材についてご紹介していきたいと思います。

快適_リビング

【今回の記事のポイント】
✓外壁の断熱材の種類や呼応胞、施工方法などがわかる。

《目次》
外壁の断熱材の種類について
外壁の断熱工法について
外壁に断熱材を施工する順序
外壁の断熱材について気を付けたいこと
外壁の断熱材についてまとめ

外壁に使われる断熱材の種類や工法などを知ることで、これから新築やリフォーム・リノベーションを考えている方には最適な断熱材を選ぶための知識となります。

昨今の日本では異常気象や自然災害など環境による変化もあり、ご自宅に合った断熱材を選択することで外気に左右されることのない快適な生活を過ごせます。

外壁の断熱材の種類について

断熱材と言っても様々な種類や工法があります。外壁に使用される主な断熱材は以下の通り、大きく分けると4種類あります。

  1. 無機質繊維系
  2. 天然素材系
  3. 発泡プラスチック系
  4. 断熱塗料

それぞれに特徴があり、メリット・デメリットもあります。住宅の構造や工法によっても選ぶ材料は異なるので、ご自身の住宅や環境に合ったものを選びましょう。

 

無機質繊維系

無機質繊維系で代表的なのはガラスを原料としたグラスウールです。他にも岩石が原料のロックウールなどもあります。
無機質繊維系の最大のメリットは価格が安いのでコスパが良いこと。昔の住宅では断熱材の重要性がまだ周知されておらず、安価なグラスウールの需要が多かったです。

グラスウール

グラスウールやロックウールは耐火性もあり、火事などにも安心とよく謳われていましたが、有害物質であるホルムアルデヒドが含まれていると一時期騒がれました。有毒性が高いわけではないようですが、シックハウス症候群などを引き起こす恐れがあるとされ懸念される方もいらっしゃいます。

天然素材系

天然素材系は羊毛コルクセルロースファイバーなどが有名です。羊毛は断熱効果があるとされ、昔から衣類でも多く利用されてきました。天然素材なので有害物質などの心配はなく、自然由来の素材が環境にも優しいものとなります。
セルロースファイバーは新聞紙や古紙を再利用したものになるのでエコでリサイクルな商品として見直されている部分もあります。

天然素材系のメリットは自然の吸湿性に優れていることや環境配慮がなされるところです。しかし、天然素材になるのでコストは高くなってしまうのがデメリットとされています。

羊毛_断熱材

発泡プラスチック系

発泡プラスチック系は名前の通り、プラスチック成分を発泡させ気泡を作り出した断熱材です。弊社でも取り扱っているパイナルフォームや硬質ウレタンフォームなどが人気です。

発泡プラスチック系のメリットは湿気に強く、耐水性があることの他にも、軽量でプレカットが自由なので施工性にも優れ隙間なく張ることが出来ることです。最近では高断熱・高気密住宅の需要が高く、その際には発泡プラスチック系の断熱材が採用されています。

外張り断熱_パイナルフォーム

グラスウールに比べると値段は高いですが、長期安定型として先々のリフォームや断熱性能を考えると決して高いとは言い難いでしょう。また、耐震性に於いても優れているので中古物件などのリノベーション物件にも外張り断熱などで対応するのがおすすめです。

現在、リフォーム・リノベーションをご検討中の方は是非、パイナルフォームの無料サンプル高気密・高断熱を実感してみてください。

断熱塗料

断熱塗料とは、断熱材とは少し異なり、熱を遮断する効果を持ち合わせた塗料になります。あくまでも塗料なので断熱材ほどの効果は正直ありませんが、外壁の補修として同時に使うことで断熱効果を高めることが可能です。

断熱材のように厚みを出せるわけでもなく、保温・保冷の効果があるのともまた違います。外からの熱を遮断するようなイメージで外壁に補助としてプラスで使用するのには向いていますが、断熱塗料のみで住宅の断熱化を図るのは難しいでしょう。これは「遮熱と断熱」の違いをよく理解できていない方が多いので注意が必要です。

外壁の断熱工法について

外壁に断熱を施工する場合には以下の工法があります。

  1. 外断熱
  2. 内断熱
  3. 断熱塗装

それぞれ家の構造や設計によって使い分ける場合もありますし、それぞれに特徴や効果も異なります。

 

外断熱

外断熱とは先ほども出てきた外張り断熱工法のことを指します。建物の外側、つまり外壁からすっぽりと断熱材で覆うように張り付けるものです。そのため、使用する断熱材は発泡プラスチック系の断熱材が主流となります。

家全体を断熱材で囲いますから、隙間なども出来にくく断熱効果も高いとされています。隙間がないことで外気の侵入も防げるので結露対策にも繋がります。ただし、使用する断熱材の量も増えることで費用が高価になりがちです。とは言っても初期費用が高額になっても断熱性能が高くなるので冷暖房などの使用も減り、節電やランニングコストの軽減にもなりますし、長期安定型なのでメンテナンスなどの費用も抑えることが見込めます。

外張り断熱

内断熱

内断熱は建物内部で断熱材を施工します。発泡プラスチック系の断熱材が出てくるまでは、ほとんどがこの内断熱による施工だったと言っても過言ではないでしょう。グラスウールや羊毛などを外壁と建物の間に敷き詰めたり、もちろん、発泡プラスチック系断熱材も充填工法で使われます。吹き付けと言って特殊な技術で液体を硬化させる断熱材を施工することもあります。

一時期、この吹き付けの成分にアスベストが含まれてるとして問題にはなりましたが、現在では法律などでも厳しく規制されているため問題はないかと思います。ただ、吹き付けの場合には特殊な技術が必要になるので、その分工賃が高くなったり、技術が浅い場合にはムラができたりして断熱性能の低下に繋がることも考えられます。

吹き付け_断熱材_内断熱

 

外断熱に比べしようする断熱材の量も少なく、価格の安さが魅力でもありますが、グラスウールや吹き付けは内部で隙間ができやすいというデメリットもあり、耐久性も発泡プラスチック系に比べるとそれほど高くはありません。

断熱塗装

断熱塗装は先ほどもお話しましたが、外壁の上に断熱塗装を塗るものです。外壁の補修と同時にメンテナンスすることができますが、断熱材としての役割とは違い、断熱効果はほとんどありません

外壁に断熱材を施工する順序

外壁に断熱材を施工する場合にはどんな手順で行われるかを解説していきます。手順を知らないで任せきりにするのと、知っておいて確認をすることで工事の手抜きや施工ミスなどを防ぐことにも繋がります

 

外断熱の施工手順

  • 構造用の合板を設置
  • 断熱材を仮止めする
  • 継ぎ目にテープなどを貼り合わせる
  • 透湿防水シートを施工(場合による)
  • 胴縁の取り付け
  • 仕上げに外壁材パネルを施工

簡単に説明するとこのような流れで外断熱は行われます。中古物件など、既存の建物に外張り断熱を行う場合には一度外壁を解体する作業が含まれるので別途、工事費がかかることもありますし、外壁も新しく新調するのであればその分の費用も加わります。

外張り断熱_外壁工事

内断熱の施工手順

内断熱の施工は外張り断熱に比べると簡単になります。そのため、新築でも中古であっても建築途中で行うことが多いです。

  • 断熱材を柱や構造の隙間に合わせて敷き詰める
  • 隙間に断熱材を固定する
  • 透湿防水シートを貼り合わせる
グラスウール_外壁

内断熱の場合、断熱材を敷き詰める作業がかなり重要で、決められた隙間に上手く敷き詰めないと、そこから外気が侵入し断熱性能を低下させてしまったり、結露が発生してしまう可能性が高いです。

特に配線廻りなどの細かい部分の隙間を埋めるのには気を付けなければなりません。

また、隙間だけでなく、厚みも均等にしなければなりません。バラバラの厚みによってヨレや歪みの原因となり、その後隙間にも繋がってしまいます。
吹き付けで内断熱を行う際には専用の機械を使い、現場で調合し混ぜ合わせ施工します。吹き付け後には扇風機などを使用し、乾燥させる必要もあるので多少時間がかかるのと、天候によって左右されることもあるので注意が必要です。

吹き付け_断熱材

断熱塗装の施工手順

断熱塗装の場合は通常の塗装と同様の手順になります。足場を掛け、一度汚れをキレイに落としてから補修や改修なども含めて下地を塗り仕上げていきます。断熱塗料は1回で済ませることはなく、重ね塗りをすることで剥がれなどを防ぎます。
DIYで断熱塗装をされる方も中にはいらっしゃいますが、効果を成すにはやはり専門職の方にお任せするのが一番です。

外壁の断熱材について気を付けたいこと

外壁に断熱材を施工する際には気を付けたい点があります。例えば性能が良い断熱材を使用しているから安心というわけではなく、断熱材と工法、そして建物の構造的に合っているかが大切になります。

中でも断熱材の厚さや性能は重要で、厚みがあればあるほど断熱性能が高いとされています。ただし、厚みを出すことによって内部断熱の場合は室内の面積が狭くなってしまう可能性もありますし、厚くする分コストもかかってきます。

パイナルフォーム_断熱材

弊社で取り扱っているパイナルフォームは厚みも0.5㎜単位で幅広く選ぶことができます。また、プレカットと言ってサイズ指定カットをした状態で納品することも可能です。

パイナルフォームはプレカットによって施工性を高め、工期までも短縮できるので現場でも人気の断熱材です。隙間なく施工するために実際に現場で調節しカットすることもできます。業者様向けの特別仕切り価格や、無料お見積りもご用意しておりますので気になる方はお気軽にお問い合わせください。

また、外壁の断熱材は火災時に備える必要もあります。火災を広げたりしないために耐火性に優れたものや、加工されているものなどを選ぶこともおすすめです。

そしてグラスウールなどの素材には必ず防湿シートを施工することが大事です。グラスウールは水分に弱い特徴があり、防湿をしないとグラスウール内に水分を含み、繊維がくっついてしまい空気層がなくなってしまいます。結果、断熱性能の低下に繋がってしまいます。

外壁の断熱材についてまとめ

外壁の断熱材は工法によって使用する素材も異なり、断熱効果を高めたい時は厚みを出すことで効果を高めてくれます。また、気密性も重要で、せっかく断熱材を施工していても隙間があることで外気の侵入を許してしまいます。
外気の侵入によって室内や壁内部で結露が発生します。結露は住宅の天敵と言われるほど住宅寿命に影響を与えます。

大切な家を長生きさせ、住む人にとっても快適であるように断熱材選びは慎重に行いましょう。他にも断熱材に関することや住宅についてのコラムがございますので併せて参考にしてみてください。
また、無料サンプルやお問合せもお気軽にお待ちしております。

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