断熱工事を失敗しないためには?
夏場は暑く、冬場は寒い、そんな部屋は住宅としての役割を果たせているのでしょうか?
冷暖房機器の進化もあり、フル稼働させれば気にならないという場合もあるかもしれませんが、それでは光熱費も高くなり、環境に対しても優しいとは言い難いです。
住宅を快適に過ごしやすく、そして電気代などのランニングコストも抑え、環境問題にも目を向ける、そんな家づくりをしませんか?既に住んでいる住まいでも断熱工事でリフォームすることも可能です。断熱工事を行うことで冷暖房の効き目が上がるだけでなく、湿気やカビの発生も改善出来ます。
この記事では断熱工事で失敗しないためのポイントやコツを簡単に解説していきます。メリットや注意点、費用についてもご紹介していきますので是非、参考にしてみてください。断熱材のことでご相談やお問い合わせがございましたらお気軽にご連絡ください。
【今回の記事のポイント】
✔️断熱工事についての知識がわかる
✔️失敗しないためのポイントがわかる
更新日:2023/11/21
初稿:2021/3/5
《目次》
・断熱工事が注目される理由とは?
・安心して任せられる業者を探す
・失敗しないための大切なポイント
・断熱工事を失敗した時の影響は?
・断熱工事の費用相場や補助金制度
・断熱工事を失敗しない~まとめ~
断熱工事が注目される理由とは?
最近になっては断熱材や断熱工事についてかなり注目を浴びるようになってきたのをご存知ですか?これはZEHや高気密をうたうハウスメーカーが多くなったことも大きく影響すると思います。
【ZEH(ゼッチ)】とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略になり、他にも似たような【HEAT20】というものがあります。
ZEHは外側の断熱性能などを大幅に向上させることと共に、高効率な設備システムを導入することで、室内環境の質を保持しつつ省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入し年間の一時エネルギー(石油や天然ガス、地熱などの)消費量をゼロにすることを目指した住宅のことを指し、HEAT20はそのZEH住宅の基準を上回る、高い評価基準が設けられたものです。
このZEHは昨今の環境問題の背景から、経済産業省が国として推奨していることもあり、消費者だけでなく工務店や設計事務所、ハウスメーカーが力を入れるのも理解できます。
しかし、気を付けていただきたいのは、いくら性能が良い住宅を建てたとしても、その断熱工事がきちんと施工されているかが重要になります。先ほどご紹介したZEHの進出により、断熱材工事を行う業者も高断熱をうたう会社が増えてきましたが、蓋を開けると知識が薄く経験値も少ない業者も中にはいるようです。逆に国の推奨もあり、ZEH住宅を中心に行っている工務店などもあるので、事前に確認しておきましょう。
断熱材のこととなると専門知識となり、中々踏み込んだ話もせずに任せきりになっている方がほとんどだと思いますが、それにより精度の低い断熱工事を行ってしまうとせっかくのZEHや高気密・高断熱の住宅であっても数年後には意味をなさなくなってしまいます。そうならない為にも、ご自身で少しでも知識を付けて安心して任せられる業者や素材を選ぶことをおすすめいたします。
断熱材についてや、弊社で取り扱っているパイナルフォームについてご相談やお問合せがございましたらお気軽にご連絡ください。わかりやすくご説明させていただきます。また、業者様向けの特別仕切り価格や無料見積もご用意していますのでお気軽にお問い合わせください。
安心して任せられる業者を探す
先ほどお話した通り、断熱工事に慣れた会社を選ぶことは重要なポイント。安心して任せられる専門家やプロを探すにはそれなりの知識や勉強が必要になってくるかと思います。断熱材の素材だけでも複数の種類がありますし、工法によっても違います。
また、断熱工事はただ、断熱材を壁の内側や外側に張ればいいという簡単なものではありません。丁寧に隙間が出来ないように作業していかないと、せっかく張っても断熱効果が薄れてしまいます。
特に内断熱を施工する場合には、配管やコンセント周りなど細かい部分があり、隙間ができやすいです。隙間が出来ると外気の侵入を許し、結露を起こしやすくなります。
壁の内側は完成してしまうと見ることができません。結露があってカビが発生してても気付かず、腐食の進行が始まり、ひどい時には漏電火災の原因にもなり兼ねません。
そこでおすすめしたいのは、断熱材を取り扱っている業者や、大工さんなど関わっている方に聞き込みをすることです。
地方に行くと特にですが、業者間での評判や噂は広まりやすく、長年その道で仕事をしている方が多いのでそういった方々が認めているところにお任せした方が間違いないかもしれません。
他にも、ホームページなどで実績を確認してみることや、直接問合せをして話を聞くのも一つかもしれません。断熱工事をご検討の方は、くれぐれもリフォーム会社選びには気を付けましょう。
また、弊社で取り扱っているパイナルフォーム商品はサイズ指定やプレカットオーダーが可能です。安心して任せられる業者様を見付ける以外にも、隙間をつくらないような断熱材を選ぶことも大切。無料サンプルもあるのでパイナルフォームの実績と本物をお手元で体感してみませんか?
失敗しないための大切なポイント
以下ではそのポイントについてご紹介していきます。
ポイント1:断熱について
断熱とは熱を断つと書きます。建物の外気に触れる部分によって断熱することで外気の温度に影響されなくなります。ここで大切なのは断熱層が続くこと。
天井や壁、床や窓といった住宅全体を外側で囲うように断熱することで断熱性能も高まります。また、下地と壁との間にスペースがある場合は、その部分にも断熱材を入れて空間を埋めることで厚みが出て、更に断熱性能が高まりますのでおすすめです。
断熱材を施工する上で一番重要になるのは「隙間」ですが、空気の移動を無くすことも同様に大切です。
気流と呼ばれる空気の流れを止めることで断熱性能は高まります。逆に、施工の仕方によっては一定の空気の流れをつくり出すことも出来ます。それが高気密・高断熱の住宅における24時間換気システムです。
断熱材を施工していても寒いのは気流止めが上手く行えていない場合があります。気流を止めることで空気の移動がなくなり断熱も効いてきます。断熱材を語る上で、空気の存在は密接な関係にあり、空気を上手に止めたり留めたりすることが一番の断熱となります。
例えば、グラスウールはガラス繊維の中に空気を留めます。
スタイロフォームやパイナルフォームなどのボード状のものは気泡をつくりその中に空気を留めます。
全ての断熱材が何らかの形で空気を留めるようにつくられています。と言うことは、空気を閉じ込めることで断熱性能を維持し断熱効果を高めることが可能になります。
業者様向けの特別仕切り価格や無料見積もございますのでお気軽にお問い合わせください。
ポイント2:気密について
建物をできるだけ密閉し気密を高めることで、空気が中から外へ、外から中へ移動することを防ぎます。
冬の温めた空気を室外へ出さず、外気の冷気を取り込まず、夏は外気の熱風を入れずに、室内の冷やした空気を逃がさないようにするためには断熱工事にて気密を高める必要があります。内部と外部の自然な空気の出入りをなくすことで換気も効率よく行えます。
気密が低い場合、隙間などから空気が漏れていき換気がスムーズにいかないこともしばしば。
これではせっかくの計画換気も想定以上に時間がかかってしまいます。例えて言うと、穴のあいたストローで水を飲むのと同様の現象になります。
気密についてもっと知りたい方はこちら⇒【高気密高断熱の住宅について】
重厚な気密施工を行う際には、仕上げにビニールシートを隙間なく貼ったり、そこにまた防湿シート重ね、気密テープで密閉するなど、出来ることはいくつかあります。
施工する工法や、断熱材の素材によってそれぞれ条件は異なりますし、ものによってはそこまで重厚にせずともしっかり気密性が確保できるものもあります。ここに関しては選んだ断熱材を含め、施工業者とよく話をして、理解した上でご検討ください。
弊社でおすすめしているパイナルフォームの断熱材は成形が自由自在なので、どんな隙間にもピッタリと埋め込むことが出来ます。
小さな隙間から大きな部分まで、どんな形にも対応できる優れ物です。
また、現場で微調整が必要になったとしても、その場でカットもでき、臨機応変に対処することが可能です。そのため、施工性にも優れ職人技術や経験が浅くても簡単に施工することができます。
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ポイント3:透湿について
透湿とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、湿気を通すことを言います。透湿の役割は壁などの中にある水蒸気を外側へ排出する役割があります。よく耳にするのは透湿防水シートです。メーカーによって商品や価格は異なりますので色々と見てみるのと良いでしょう。
透湿防水シートは水を通しませんが、水蒸気を通すという性質をもっています。そのため、内部にある水蒸気は外部へ通し、外部からくる雨などの水は弾いて侵入させません。断熱工事においてはとても画期的なシートです。
グラスウールやロックウールなどの繊維系の断熱材は耐水性に弱いため、このような透湿防水シートを使用することが重要です。
パイナルフォームは発泡スチロールと同様の素材になりますので耐水性にも強く、結露による腐食やカビの発生なども起こりにくいのが特徴です。
この耐水性や結露などの影響を受けにくいという特徴がパイナルフォーム商品が選ばれる理由でもあるわけです。無料サンプルもございますのでお気軽にお問い合わせください。
断熱工事を失敗した時の影響は?
もし万が一、断熱工事が失敗した場合に起こりうる影響には一体どんなものがあるでしょうか?
一番大きな影響として考えられるのはリフォームやリノベーションなどの改修工事です。
住宅は長く住む大切な空間です。断熱性能が行き渡っていないだけでなく、カビの発生や隙間風による外気の侵入、他にも断熱材の素材の腐食などから住宅の基礎部分や壁、天井などに欠陥が起き進行していくことがあります。そうなった場合は断熱材を交換するような改修工事をするほか改善する方法がありません。
断熱材の貼替えや入れ替えを行うとなるとかなり費用も掛かってきてしまいます。それが数十年先なのか、数年後なのかは素材や施工方法により異なるので予測は難しいでしょう。あらかじめ、先を見越して準備もできる状態であれば、それなりの備えもできるので構わないかもしれませんが、中々そこまで考えて住宅を建てる方は少ないでしょう。
この他にも、新築から数年後に冷暖房機器の効き目が悪く、光熱費などのコストが上がってしまったりするのはよく聞く話です。それが断熱材の工事や性能によるものだと気付かずにいると冷暖房機器を買い替えたりする方も出てきます。
確かに、冷暖房機器などにもそれなりの寿命はあるかと思います。しかし、最近の冷暖房機器の機能や性能を見ていると数年で寿命がくるというのは考えにくいです。
もう少し掘り下げて考えると、施工の不備や、きちんと施工がなされていない場合、隙間からくる外気の侵入により結露が発生し、窓の下には水たまりが出来たり、カーテンや部屋の隅に湿気がたまりカビが発生することも多くあります。
これらのことを考えるとやはり断熱工事は失敗したくないと思うものです。
そのために世帯主の方が少しの知識を付け、丁寧で安心な施工をしてくれる業者に依頼をし、目先の価格よりも性能にすぐれた素材を選ぶことで回避することができます。
繊維系の素材に比べると、確かにパイナルフォーム(EPS材)のような発泡プラスチック系の価格は高いです。
しかし、長期安定型や耐水性にも優れていること、そして成形が自由なことで先ほど述べたような隙間風や結露などといった要因を回避することができます。
断熱材のことでお悩みやご相談がありましたら専門店の断熱材.jpにお気軽にお問い合わせください。
断熱工事の費用相場や補助金制度
それでは続いて、断熱工事にどのくらいの費用がかかるのか?考えていきましょう。
基本的に場所や工法、使用する断熱材によって費用が異なるため、あくまで相場ということを予めご理解ください。
- 壁・・・約5,000円~30,000円/㎡
壁の断熱は内断熱にあたり、工事内容としては壁内に断熱材や断熱パネルを入れることになります。現場や選んだ素材によって費用相場も異なりますし、壁を剥がす場合にも追加で別途料金が発生することも考えられます。
- 天井・・・約5,000円~10,000円/㎡
天井の場合も、壁と同様に内断熱で施工します。天井を開け、中に断熱材を敷いたり詰めたりします。壁断熱と違って壁を剥がしたりする手間が不要な場合が多く、比較的簡単に断熱工事を行えます。
- 床下・・・約5,000円~10,000円/㎡
床下も内断熱となり、天井と同じように床下を開け、床下に断熱材を敷きます。潜って作業ができる場合は簡単に済みますが、入れない場合にはフローリングなど床材を剥いで作業する場合もあるので、住宅の構造と施工業者と相談が必要です。また、剥がす際の費用や張り直す際の費用が追加になることもあります。
以上の他にも窓部分のインナーサッシや外壁、屋根、基礎部分での断熱工事があります。
お住まいの自宅の構造や状況、周囲環境によっても選ぶ工法や素材の基準は異なってきます。まずは現状を把握しつつ、安心して任せられる業者と相談しながら進めていくことが一番です。
また、予算に関して言えば、国や自治体で補助金や助成金、減税などを受けられることがあります。
高性能建材を使用した断熱工事やリフォーム・リノベーションに対し、支援事業があるところもありますし、ZEHやHEAT20といった次世代省エネ基準を推奨して助成金を出すところもあります。
断熱工事は省エネに繋がるリフォーム・リノベーションになるため、税制の優遇を受けられる場合もあります。
ただし、国や自治体によって内容が異なることもあれば、対象基準もそれぞれなので事前に各所へ確認してから断熱工事を進めないと、後になって基準を満たしてなかったと制度を受けられなかったなんてことになっては大変です。
後々、失敗や後悔をしないためにも、色々な情報を集めて判断しましょう。
断熱工事を失敗しない~まとめ~
建築中の現場で、断熱材を入れる段階に足を運ぶ方は少ないと思います。しかし、見えない部分だからこそ信頼と実績のある会社や専門家、プロに任せることで失敗を回避することができます。
また、住宅を建てるということはそれなりのお金がかかります。
各家庭や金額によって、それぞれに優先順位を決めて進めていかれることと思いますが、時にはこだわりたい部分でも削らざる得ない場面があったり、他の場所でコスト削減できる箇所を探して見たりとするものですが、住まいづくりにおいて本当に削ってはいけない部分というのは表には見えない部分がほとんどです。
断熱材だけでなく耐震性のある構造や、地盤地下などにも負けない基礎部分も同様です。いくら表や外見がキレイでおしゃれであっても、見えない部分が疎かになってしまっては災害時や、老朽化による被害も大きく異なります。
コラム監修者からのメッセージ
断熱材は建物の性能の「柱」となる重要なポジションを担っています。私たちは一貫して「より良い住宅のお手伝い」をモットーに断熱はもちろん、気密や工法に関わる商品の提案・サポートを行っています。多くの方に『松原産業のパイナルフォーム』をご採用頂けるように精進していきますので是非よろしくお願い致します。